2014/9/19 23:47
すっかり秋に入った大連です。朝夕は長袖でも全く問題が無い気温です。
さて、昨日9月18日は「柳条湖事件」が起きた日です。「柳条湖事件」の名は大学受験で日本史や世界史を選択した方なら御存知でしょう。1931年(昭和6年)9月18日の午後10時20分頃、中華民国奉天(現在の瀋陽)の柳条湖近くで起きた、「満州事変」の発端となる鉄道爆破事件です。中国ではこの「柳条湖事件」を「九一八事変」と称しています。

今年、こちら満州大連では、この日午前9時18分から33分までの間、防空警報の音響テストが実施されました。昨日9月18日付け大連地元紙『半島晨報』の一面です。見出しは「今日午前午前9時18分に全省で3分間、防空警報と汽笛、クラクションが鳴らされる」とあります。
私はアラフォー世代の為、映画やドラマの中での空襲警報しか知らなかったのですが、町全体に「ウ〜、ウ〜」と大音響で響き渡るんですから、かなりのものです。今年こそ警報は午前中でしたが、以前は夜だったので、かなりの迫力でしたね。「戦時下という状況」が曲がりなりにも感じられました。私はとっさに、竹野内豊さんと常盤貴子さんのドラマ『流転の王妃 最後の皇弟』での、満州国の首都・新京(現吉林省長春市)にソ連軍が攻め込んできて市内に警報が鳴り響き、逃げ惑うシーンを思い出しました。
昭和から平成へ、そしてその平成も四半世紀を過ぎ、何故今「空襲警報」なのか。その「第一」の目的は「国恥を忘れる事無かれ」、つまり日本に攻められた事を「国恥」と定義し、それを再確認、更には次世代に伝えていくということです。これが日本ですと、長崎や広島ではまず「第一」に、「平和への祈り」や「核兵器を無くそう」となります。この国では何故「第一」が、日本への「怨恨の再確認」、「怨恨の継承」となってしまうのでしょうか?
あれ、田中角栄首相と周恩来首相で結ばれた「日中共同声明(1972年)」、福田赳夫内閣時に結ばれた「日中平和友好条約(1978年)」、小渕恵三首相と江沢民国家主席で結ばれた「日中共同宣言(1998年)」、の存在意義は!?
「論理」という武器を使って冷静に考えると、今の「お上」がこの国を、人民を、実にあらぬ方向に導いている事が明解なわけです。核保有国、そして人権が無いという人命の軽視、この二つの現実が存在する以上、まず「第一」に「平和への祈り」や「核兵器を無くそう」は出来っこない。これが「限界」なんですね。

そしてこの「柳条湖事件」、つまり当該地である瀋陽の「9・18歴史博物館」では式典が行われましたが、国家主席は姿を見せず、党序列5位の劉雲山政治局常務委員が出席、それも式典は毎年開かれているにもかかわらず、最高指導部メンバーの出席はなんと異例だそうです(下記「参考記事」参照)。国のトップ、いやトップ層すら全然足を運ばない「鎮魂」・・・。そういう「低い」位置付けなんですかね。この点でも長崎、広島とは「雲泥の差」と私は考えます。こちらは本日9月19日付け大連地元紙『半島晨報』(A12ページ)です。見出しは「我が省(遼寧省)の14都市で昨日、防空警報が鳴り響いた」とあります。

大連市では「中山広場」で「第14回全人民国防教育日宣伝活動」が行われたようです。写真でお分かりいただけますように、下は小学生から出席ですから、「愛国主義」も「筋金入り」です。こういう「現実」もあって、日本人なら中国の現地ローカル教育機関に通わせる事は覚悟が必要です。こちらも本日9月19日付け大連地元紙『半島晨報』(A12ページ)で、見出しは「本市(大連市)では500人が宣伝活動に参加」とあります。大連には「左寄り」の日本人の方も多いですが、日本(人)が悪い!の「有言実行」で参加して欲しいですねえ。

話は変わりますが、私はサッカー観戦が大好きで、よく生観戦に行き、その模様を当ブログに記していますが、地元クラブ「大連阿爾濱(だいれんアルビン)」の、昨年までのホームスタジアム「大連金州体育場」前の大通りの名前は「スターリン通り」です。

スタジアムをバックに撮ります。

あのスターリンですよ・・・。初めは信じられなかったですね。「ヒトラー、スターリン、毛沢東」と言えば・・・。スターリンが何と「バリバリ現役な国」。この地では「真の、心からの、死者への鎮魂」などありえないんですよ。これが「論理的思考法」というものです。
最後になりましたが、防空警報は以前のように夜、それも事件が起きた午後10時20分の方が良いと思います。それが「本当の歴史を学ぶ、継承する」という事です。
私は中華民国(現・台湾)時代に起きた事件を、中華人民共和国が代わって「鎮魂」する限界、そして無理、という現状を目に見ています。

秋の夜長です。読書には最適の時期ですので、「即戦力」となる4冊をお勧めします。安価で手に入れ易く、初心者からソコソコの知識がある方まで、楽しく、分かりやすく、一気に最後まで読めますよ。
参考記事:
中国序列5位常務委員、柳条湖式典に異例の出席
【北京=五十嵐文】満州事変の発端となった柳条湖事件(1931年)の発生日に当たる18日、中国遼寧省瀋陽の「9・18歴史博物館」で式典が行われ、中国共産党序列5位の劉雲山リウユンシャン政治局常務委員が出席した。
式典は毎年開かれているが、最高指導部メンバーの出席は異例。
第2次大戦終結70年となる来年に向け、歴史問題で対日批判を強める姿勢を改めて示したとみられる。
2014年09月19日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/world/20140919-OYT1T50010.html
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さて、昨日9月18日は「柳条湖事件」が起きた日です。「柳条湖事件」の名は大学受験で日本史や世界史を選択した方なら御存知でしょう。1931年(昭和6年)9月18日の午後10時20分頃、中華民国奉天(現在の瀋陽)の柳条湖近くで起きた、「満州事変」の発端となる鉄道爆破事件です。中国ではこの「柳条湖事件」を「九一八事変」と称しています。

今年、こちら満州大連では、この日午前9時18分から33分までの間、防空警報の音響テストが実施されました。昨日9月18日付け大連地元紙『半島晨報』の一面です。見出しは「今日午前午前9時18分に全省で3分間、防空警報と汽笛、クラクションが鳴らされる」とあります。
私はアラフォー世代の為、映画やドラマの中での空襲警報しか知らなかったのですが、町全体に「ウ〜、ウ〜」と大音響で響き渡るんですから、かなりのものです。今年こそ警報は午前中でしたが、以前は夜だったので、かなりの迫力でしたね。「戦時下という状況」が曲がりなりにも感じられました。私はとっさに、竹野内豊さんと常盤貴子さんのドラマ『流転の王妃 最後の皇弟』での、満州国の首都・新京(現吉林省長春市)にソ連軍が攻め込んできて市内に警報が鳴り響き、逃げ惑うシーンを思い出しました。
昭和から平成へ、そしてその平成も四半世紀を過ぎ、何故今「空襲警報」なのか。その「第一」の目的は「国恥を忘れる事無かれ」、つまり日本に攻められた事を「国恥」と定義し、それを再確認、更には次世代に伝えていくということです。これが日本ですと、長崎や広島ではまず「第一」に、「平和への祈り」や「核兵器を無くそう」となります。この国では何故「第一」が、日本への「怨恨の再確認」、「怨恨の継承」となってしまうのでしょうか?
あれ、田中角栄首相と周恩来首相で結ばれた「日中共同声明(1972年)」、福田赳夫内閣時に結ばれた「日中平和友好条約(1978年)」、小渕恵三首相と江沢民国家主席で結ばれた「日中共同宣言(1998年)」、の存在意義は!?
「論理」という武器を使って冷静に考えると、今の「お上」がこの国を、人民を、実にあらぬ方向に導いている事が明解なわけです。核保有国、そして人権が無いという人命の軽視、この二つの現実が存在する以上、まず「第一」に「平和への祈り」や「核兵器を無くそう」は出来っこない。これが「限界」なんですね。

そしてこの「柳条湖事件」、つまり当該地である瀋陽の「9・18歴史博物館」では式典が行われましたが、国家主席は姿を見せず、党序列5位の劉雲山政治局常務委員が出席、それも式典は毎年開かれているにもかかわらず、最高指導部メンバーの出席はなんと異例だそうです(下記「参考記事」参照)。国のトップ、いやトップ層すら全然足を運ばない「鎮魂」・・・。そういう「低い」位置付けなんですかね。この点でも長崎、広島とは「雲泥の差」と私は考えます。こちらは本日9月19日付け大連地元紙『半島晨報』(A12ページ)です。見出しは「我が省(遼寧省)の14都市で昨日、防空警報が鳴り響いた」とあります。

大連市では「中山広場」で「第14回全人民国防教育日宣伝活動」が行われたようです。写真でお分かりいただけますように、下は小学生から出席ですから、「愛国主義」も「筋金入り」です。こういう「現実」もあって、日本人なら中国の現地ローカル教育機関に通わせる事は覚悟が必要です。こちらも本日9月19日付け大連地元紙『半島晨報』(A12ページ)で、見出しは「本市(大連市)では500人が宣伝活動に参加」とあります。大連には「左寄り」の日本人の方も多いですが、日本(人)が悪い!の「有言実行」で参加して欲しいですねえ。

話は変わりますが、私はサッカー観戦が大好きで、よく生観戦に行き、その模様を当ブログに記していますが、地元クラブ「大連阿爾濱(だいれんアルビン)」の、昨年までのホームスタジアム「大連金州体育場」前の大通りの名前は「スターリン通り」です。

スタジアムをバックに撮ります。

あのスターリンですよ・・・。初めは信じられなかったですね。「ヒトラー、スターリン、毛沢東」と言えば・・・。スターリンが何と「バリバリ現役な国」。この地では「真の、心からの、死者への鎮魂」などありえないんですよ。これが「論理的思考法」というものです。
最後になりましたが、防空警報は以前のように夜、それも事件が起きた午後10時20分の方が良いと思います。それが「本当の歴史を学ぶ、継承する」という事です。
私は中華民国(現・台湾)時代に起きた事件を、中華人民共和国が代わって「鎮魂」する限界、そして無理、という現状を目に見ています。

秋の夜長です。読書には最適の時期ですので、「即戦力」となる4冊をお勧めします。安価で手に入れ易く、初心者からソコソコの知識がある方まで、楽しく、分かりやすく、一気に最後まで読めますよ。
参考記事:
中国序列5位常務委員、柳条湖式典に異例の出席
【北京=五十嵐文】満州事変の発端となった柳条湖事件(1931年)の発生日に当たる18日、中国遼寧省瀋陽の「9・18歴史博物館」で式典が行われ、中国共産党序列5位の劉雲山リウユンシャン政治局常務委員が出席した。
式典は毎年開かれているが、最高指導部メンバーの出席は異例。
第2次大戦終結70年となる来年に向け、歴史問題で対日批判を強める姿勢を改めて示したとみられる。
2014年09月19日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/world/20140919-OYT1T50010.html
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投稿者:dalian4649