2013/3/31 12:41
本日のエントリーは2013年中国サッカー・スーパーリーグ公式戦第3節 「大連阿爾濱(だいれんアルビン)」vs「上海上港(上海東亜)」の生観戦記です。長年観てきた「大連実徳」が昨シーズンで解散し、今シーズン、大連のチームは「大連阿爾濱」だけとなりました。そのため今シーズンはこのチームを生観戦することが多くなりそうです。
3月8日に開幕した今シーズン、開幕直前に新監督・徐弘が八百長問題で中国サッカー界を5年間追放となって監督不在となり、急遽GMの李明が代理監督となって臨んだ「大連阿爾濱」は第1節(「山東魯能」戦、アウェー、「0:1」で負け)、第2節(「青島中能」戦、アウェー、「0:1」で負け)と順調に(!?)敗戦を重ね、第3節の昨日、今シーズンのホーム開幕戦を迎えました。
東京では桜が既に終わった時期でしょう。こちら大連は満州の最南端に位置する都市とはいえ、まだまだ寒く「冬」です。木々に花どころか葉が見られるのはいつでしょうかね。昨日の大連も朝から雪でした。午後になって止みましたが、気温は1〜3度です。素晴らしい観戦日和です・・・。
では「PM2.5」の数値が100を越える中、「大連阿爾濱」のホームスタジアムである「大連金州体育場」へと向かいます。

大連駅です。駅左にある地下道を抜けて「北口」へと移動します。

「北口」隣にある「快軌大連駅」です。ここで電車に乗ります。

スタジアムの最寄駅となる「東山路」駅までは6元(=約90円)です。中国ビギナーの方は「簡体字」表記に御注意下さい。

車両数(4両編成)が町の人口&利用者数と比例していないので、車内はいつも混んでいます。スリに注意して下さい。

中国ですから「順序良く並んで順番に乗車」ということはありません。「郷に入っては郷に従え」です。「弱肉強食」を再確認しましょう。

この日は約1時間半もかかって、スタジアムに着きました。

金州体育場内のマップです。観客席は全20エリアに分かれています。

今年の各エリアのチケット価格です。掲載の無い番号は閉鎖エリアです。バブル崩壊&インフレの影響でかなりの値上げがされています。メインスタンド中央部である「6番エリア席(主席台)」は昨シーズンに比べて価格がなんと一気に3倍(!!!)になりました。100元(=約1500円)→300元(=約4500円)ですよ(!)。蛇足ながら、就職氷河期である今年の大連、大卒の初任給は大体2500〜3000元(=約38000〜45000円)といったところです。チケット一枚が初任給の10分の1(!)ということですね。日本では考えられない価格設定です。また、「最低席=末席」の価格が30元(=約450円)で、「最高席」が300元(=約4500円)、と10倍の価格「格差」をつけています。この「格差」、今の中国社会を象徴していますね(笑)。

さあ、チケットを購入して入場、と思って売り場に行ったら何か様子が変です。売り場が閉鎖されており、人民と警察が争っています。隣に居たおっさんに事情を聞いたら、「チケットは既に完売」なんだそうです。当ブログでは生観戦記を頻繁に書いていますが、完売=満席、なんてことは、ここ金州体育場ではありえないんですが・・・。

こちらは「9番エリア席」のゲート前です。やはりチケットの無い観衆が集結しています。

こちらは「8番エリア席」のゲート前です。ここでも押し問答が繰り返されており、警官が吠えています。

その場で入場「権」を現金購入しようとしている輩もいますね。写真中央には赤い100元札を手に持つ輩が写っています。

ついに人民が決起、「暴徒」と化しました。強行突破(=タダ見)です。すげ〜、コイツ等(笑)。「8番エリア席」は50元(=約760円)の席で、決して「末席」ではありません。人民の勝利です。
強制的に無料開放(=オープンドア)となり、私もこの流れで入場となりました。スタジアム周辺にいる、星の数ほどのダフ屋はザマミロですが、まじめにチケットを買って入場した人は哀れです。ここは「正直者がバカを見る国」。「踏み倒し」は日本人的にはあんまり気持ちの良い行為ではないですね。今日、こんな観客に応援される「大連阿爾濱」は負けると思いましたね。お天道様はちゃんと見ていますよ。

ともあれ、タダで入場できてしまいました。前方に席が空いていたのでそこに座ります。すぐに選手入場となりました。ほ〜ら、「お向かいさん」も空席ばかり(笑)。

こちらはゴール裏、電光掲示板下のサポーターの様子です。世界のサッカー、それもトップリーグが行われているスタジアムの「電光」掲示板で、一番「情報量の少ない」電光掲示板でしょう。
何故、このような「観客急増&暴動」となったのか。私が分析するに、
1、チケットが無い=満席、ではなく、チケットが無い=紙不足、だった(笑)。主催者側の準備不足という怠慢。
2、「大連実徳」の解散で、今シーズンは「大連阿爾濱」の1試合あたりの観客数が予想以上に増えた。この「しわ寄せ」が予測できなかった。
3、今シーズンのホーム開幕戦という注目度の向上。
4、「大連阿爾濱」が今シーズン、新たに中国代表選手(于漢超、陳涛、李学鵬)、前パリ・サンジェルマンFCで元フランス代表選手(ギョーム・オアロ)といった「スター選手」を補強したことによる注目度の向上。

5、先週、3月22日に賀竜体育中心(中国・長沙)で行なわれた「AFC アジアカップ 2015」予選、中国代表vsイラク代表で「大連阿爾濱」のキャプテン・于大宝 (ユ・ターパオ、う・だいほう)がロスタイム93分に決勝点を入れ、一躍「時の人」、いや「時の英雄」になった。彼の「帰還」という注目度の向上。
6、この日は現中国代表監督・カマーチョ(スペイン)が大連に生観戦に訪れたという注目度の向上。
7、「大衆娯楽」にも関わらず凄まじい値上げ、一方でサービスの向上は無し、に対する不平不満。
以上の7点が主催者側としては「想定外だった」ということですね。
さて、ひと騒動を終え、キックオフ待ちます。

最後になりましたが、この日は岡田武史監督率いる「杭州緑城」に今シーズンより加入した大黒将志選手(FW、33歳、背番号11)が中国リーグ初得点を決めましたね。アウェーで「天津泰達」戦(「2:2」で引き分け)です。後半60分より途中出場も、結果を出しました。チームメイトに祝福される様子です。中国サイトの写真を転載します。映像はこちらです。日本からは見れますかね。

同試合、曹軒(MF、27歳、背番号13、写真:一番右)も決めましたが、祝福の輪に加わる大黒選手(写真:左から3番目)です。マゾーラ(ブラジル、FW、23歳、背番号9、元浦和レッズ、写真:右から2番目)も喜んでいます。

この日の岡田監督です。
次回に続きます。
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3月8日に開幕した今シーズン、開幕直前に新監督・徐弘が八百長問題で中国サッカー界を5年間追放となって監督不在となり、急遽GMの李明が代理監督となって臨んだ「大連阿爾濱」は第1節(「山東魯能」戦、アウェー、「0:1」で負け)、第2節(「青島中能」戦、アウェー、「0:1」で負け)と順調に(!?)敗戦を重ね、第3節の昨日、今シーズンのホーム開幕戦を迎えました。
東京では桜が既に終わった時期でしょう。こちら大連は満州の最南端に位置する都市とはいえ、まだまだ寒く「冬」です。木々に花どころか葉が見られるのはいつでしょうかね。昨日の大連も朝から雪でした。午後になって止みましたが、気温は1〜3度です。素晴らしい観戦日和です・・・。
では「PM2.5」の数値が100を越える中、「大連阿爾濱」のホームスタジアムである「大連金州体育場」へと向かいます。

大連駅です。駅左にある地下道を抜けて「北口」へと移動します。

「北口」隣にある「快軌大連駅」です。ここで電車に乗ります。

スタジアムの最寄駅となる「東山路」駅までは6元(=約90円)です。中国ビギナーの方は「簡体字」表記に御注意下さい。

車両数(4両編成)が町の人口&利用者数と比例していないので、車内はいつも混んでいます。スリに注意して下さい。

中国ですから「順序良く並んで順番に乗車」ということはありません。「郷に入っては郷に従え」です。「弱肉強食」を再確認しましょう。

この日は約1時間半もかかって、スタジアムに着きました。

金州体育場内のマップです。観客席は全20エリアに分かれています。

今年の各エリアのチケット価格です。掲載の無い番号は閉鎖エリアです。バブル崩壊&インフレの影響でかなりの値上げがされています。メインスタンド中央部である「6番エリア席(主席台)」は昨シーズンに比べて価格がなんと一気に3倍(!!!)になりました。100元(=約1500円)→300元(=約4500円)ですよ(!)。蛇足ながら、就職氷河期である今年の大連、大卒の初任給は大体2500〜3000元(=約38000〜45000円)といったところです。チケット一枚が初任給の10分の1(!)ということですね。日本では考えられない価格設定です。また、「最低席=末席」の価格が30元(=約450円)で、「最高席」が300元(=約4500円)、と10倍の価格「格差」をつけています。この「格差」、今の中国社会を象徴していますね(笑)。

さあ、チケットを購入して入場、と思って売り場に行ったら何か様子が変です。売り場が閉鎖されており、人民と警察が争っています。隣に居たおっさんに事情を聞いたら、「チケットは既に完売」なんだそうです。当ブログでは生観戦記を頻繁に書いていますが、完売=満席、なんてことは、ここ金州体育場ではありえないんですが・・・。

こちらは「9番エリア席」のゲート前です。やはりチケットの無い観衆が集結しています。

こちらは「8番エリア席」のゲート前です。ここでも押し問答が繰り返されており、警官が吠えています。

その場で入場「権」を現金購入しようとしている輩もいますね。写真中央には赤い100元札を手に持つ輩が写っています。

ついに人民が決起、「暴徒」と化しました。強行突破(=タダ見)です。すげ〜、コイツ等(笑)。「8番エリア席」は50元(=約760円)の席で、決して「末席」ではありません。人民の勝利です。
強制的に無料開放(=オープンドア)となり、私もこの流れで入場となりました。スタジアム周辺にいる、星の数ほどのダフ屋はザマミロですが、まじめにチケットを買って入場した人は哀れです。ここは「正直者がバカを見る国」。「踏み倒し」は日本人的にはあんまり気持ちの良い行為ではないですね。今日、こんな観客に応援される「大連阿爾濱」は負けると思いましたね。お天道様はちゃんと見ていますよ。

ともあれ、タダで入場できてしまいました。前方に席が空いていたのでそこに座ります。すぐに選手入場となりました。ほ〜ら、「お向かいさん」も空席ばかり(笑)。

こちらはゴール裏、電光掲示板下のサポーターの様子です。世界のサッカー、それもトップリーグが行われているスタジアムの「電光」掲示板で、一番「情報量の少ない」電光掲示板でしょう。
何故、このような「観客急増&暴動」となったのか。私が分析するに、
1、チケットが無い=満席、ではなく、チケットが無い=紙不足、だった(笑)。主催者側の準備不足という怠慢。
2、「大連実徳」の解散で、今シーズンは「大連阿爾濱」の1試合あたりの観客数が予想以上に増えた。この「しわ寄せ」が予測できなかった。
3、今シーズンのホーム開幕戦という注目度の向上。
4、「大連阿爾濱」が今シーズン、新たに中国代表選手(于漢超、陳涛、李学鵬)、前パリ・サンジェルマンFCで元フランス代表選手(ギョーム・オアロ)といった「スター選手」を補強したことによる注目度の向上。

5、先週、3月22日に賀竜体育中心(中国・長沙)で行なわれた「AFC アジアカップ 2015」予選、中国代表vsイラク代表で「大連阿爾濱」のキャプテン・于大宝 (ユ・ターパオ、う・だいほう)がロスタイム93分に決勝点を入れ、一躍「時の人」、いや「時の英雄」になった。彼の「帰還」という注目度の向上。
6、この日は現中国代表監督・カマーチョ(スペイン)が大連に生観戦に訪れたという注目度の向上。
7、「大衆娯楽」にも関わらず凄まじい値上げ、一方でサービスの向上は無し、に対する不平不満。
以上の7点が主催者側としては「想定外だった」ということですね。
さて、ひと騒動を終え、キックオフ待ちます。

最後になりましたが、この日は岡田武史監督率いる「杭州緑城」に今シーズンより加入した大黒将志選手(FW、33歳、背番号11)が中国リーグ初得点を決めましたね。アウェーで「天津泰達」戦(「2:2」で引き分け)です。後半60分より途中出場も、結果を出しました。チームメイトに祝福される様子です。中国サイトの写真を転載します。映像はこちらです。日本からは見れますかね。

同試合、曹軒(MF、27歳、背番号13、写真:一番右)も決めましたが、祝福の輪に加わる大黒選手(写真:左から3番目)です。マゾーラ(ブラジル、FW、23歳、背番号9、元浦和レッズ、写真:右から2番目)も喜んでいます。

この日の岡田監督です。
次回に続きます。
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投稿者:dalian4649