「将軍サマ」の病的ダイエット、人工衛星打ち上げ、そして核実験、といずれも「大成功」に終わり、国家的慶事が止まらない北朝鮮が極めて元気ですね。「花火」代わりの短距離ミサイル(火薬抜き)乱射が止まりません。
実情は「亡国の自覚」に伴う「閉店間際の在庫品大処分セール」、はたまた「風前の灯」といったところでしょう。
将軍サマの「癌」発病、「激ヤセ」をスタートとした「亡国」への「段取り」、「金王朝全二代終焉」、「後継者(3代目)指名&体制確立の不可と理由」、更には「小中華」の原点回帰、という明るい未来(笑)が約束された「道筋」については拙ブログの過去エントリー「北朝鮮ミサイル発射問題を考える(1)〜(7)」で長々と述べさせていただきました。お暇な方、まだ訪問されていない方はこの過去の駄文にお付き合いしていただければと思います。
北朝鮮を「読み」たければ中国に着目せよ。
北朝鮮という「国家の最大の急所」=「全ライフライン」を握っている中国を理解する事が北朝鮮の動き、考え方を理解する、大いな手助けになるということ、またその「重要性」についてもここでは述べさせていただきました。
さて「短命政権」に終わり、その後、他人に「実権」を奪われながらも「延命」し続けた。
こういった実例を「歴史」という「武器」、それも日本人にも分かりやすいように「日本史」という「武器」を使って紐解くと、まあ「適合」する例は「鎌倉時代」ではないですかね。
「全3代」という短命に終わった「源氏の将軍」、その後「鎌倉幕府」自体は存続するも、その実権はどこの馬の骨かもわからない程、出自の低かった「執権北条氏」、この「執権政治体制」を確立する上で「源氏の将軍」、中でも頼朝時代から幕府を支えてきた有力御家人は片っ端から「消され」ました。「執権北条氏」によって祭り上げられた「お飾りのトップ」=「摂家将軍」、「皇族将軍」には何の「自由」も与えられませんでした。こんな事実があります。
「歴史は繰り返す」
これを現在の北朝鮮に当てはめてみると、
「全2代」という短命に終わる(予定)「金氏の将軍」、その後「北朝鮮」自体は存続するも、その実権はかつて日本に「三等国民の国」と位置付けられていた程、出自の低かった現「中華人民共和国」、この「新北朝鮮体制」を確立する上で「金氏の将軍」、中でも正日時代から北を支えてきた有力御家人(=張成沢、金永南・・・)は片っ端から「消され」るでしょう。「中華人民共和国」によって祭り上げられた「お飾りのトップ」=「親中(媚中)北朝鮮国籍人」には何の「自由」も与えられることはないでしょう。こんな事実となることでしょう。
この「お飾りのトップ」=「親中(媚中)北朝鮮国籍人」にはどういう人間が相応しいかというとあらゆる面で無能、無害である凡人。ただただ「上司=中国」に対する忠誠心だけが認められる「イエスマン」。つまり「中華人民共和国史」で該当者を探せば、「神」=毛沢東に「あなたがやれば、私は安心だ」との言葉を贈られ、後任を委託された「華国鋒」タイプの人間ですね。日本の政界で言えば「武部勤」元幹事長タイプですな。新たな「御家人」も中華人民共和国の「朝鮮族」から抜粋すれば大丈夫。年齢、国籍、戸籍の変造など中国では「朝飯前」です。特例で「二重国籍」を認めても良い。「朝令暮改」など当たり前で罪悪感など微塵も感じません。まあ年齢問題は北京オリンピックでも問題となりましたね。
話を戻します。「恐怖とカネ(利権)」だけを「接着剤」とした「結び付き」など日本人から見たら理解不能なだけではなく、むなしい、そして信じる、頼るに値しない「結び付き」です。当然その「ほころび」も実にあっけないものです。中国が北朝鮮と結び付く理由と現状、また逆に、北朝鮮が中国と結び付く理由と現状、についても過去エントリー「北朝鮮ミサイル発射問題を考える(1)〜(7)」で触れました。
真の、心からの相互理解、価値観の共有を経た上での「結び付き」ではないのですから、北朝鮮の中国に対する本心を一言で言えば「憎憎しい」という事でしょう。しかし「飼い犬(=北朝鮮)」が「飼い主(=中国)」に「噛み付く(=逆らう)」事は許されません。「恐怖とカネ(利権)」を用いて必ず「お仕置き(=復讐)」されるからです。「お仕置き(=復讐)」って何?「国家の最大の急所」である「全ライフライン」を止められ、型落ちとはいえ軍事技術供与も止められるということです。
日々この積もりに積もった「将軍サマ」の中国に対する「憎憎しさ」が爆発した例が有ります。2006年、まだ血気盛ん、「妊娠腹」時代の「飼い犬=(将軍サマ)」が「飼い主(=中国)」に対して反旗を表明したとされる逸話が報道されたのです。韓国ソースですが、まあ国家安保戦略研究所所長の「ダイエット」結論といい、朝鮮半島は北も北なら南も南ですな。
目に見えてわかるようになった老化、そして健康悪化という自覚に伴う「死の現実」という認識は「絶対的な存在=独裁者」の「冷静な判断」を狂わせます。基本的に「独裁者」の基本的思想は「自分さえ良ければ後はどうでも良い」です。
「将軍サマ」にとって己と北朝鮮という国の「死」が現実となりつつある現在は、「飼い主(=中国)」の命令を一切無視し、自由気まま(=キチガイ全開)に出来る、「最初で最後の真の自由(?!)の訪れ」なのです。何故?自分という独裁者(=神)は自分が死んだら、その後なんかどうでも良いんですよ。「後は野となれ山となれ」です。
「衣食足りて礼節を知る」、「衣食足れば則ち栄辱を知る」この日本という国に住む日本人には中々理解できないことかもしれませんが、「衣食が足りないので礼節も知らない」「衣食が足らないので栄辱も知らない」という中国における、あらゆる「結び付き」の基本は、まず「縁故、恐怖、カネ(利権)」が最大判断基準なので、在中豪腕(?!)ビジネスマンならこの「最初で最後の真の自由(?!)の訪れ」の存在、そして意味を十分に理解できる事でしょう。
「恐怖、カネ(利権)」を基本とした「結びつき」関係における、「親分無視、子分に訪れた最初で最後の真の自由」とは何を意味するか、中国政府も常日頃からこの手の経験は日常茶飯事なだけに、さすがに「今回はちょっとヤバイ」と感じる「そぶり」だけは示しているようです。しかしこの「そぶり」を「利用(転用)」するところが中国政府の「一枚上」、「上手い」ところなんですが、この点に関しましては次回に続けたいと思います。
P.S 上記した「鎌倉幕府時代」と「金王朝北朝鮮」の比較、適合例ですが、この点に関しての深い意味はございませんので、御容赦下さい。
参考記事:
「助けてくれない」…金総書記、中国への不満を吐露
【ソウル=中村勇一郎】18日付の韓国紙・中央日報は外交消息筋の話として、北朝鮮の金正日総書記が今月初め、極秘に訪朝した米国関係者に対し、「中国は信じられない国」と発言し、中国への不満を吐露したと報じた。
同紙によると、金総書記は中国について、「決定的な瞬間に我々を助けてくれない」とも述べ、批判したという。
同紙は、金総書記の不満の背景には、米国の対北朝鮮金融制裁への中国の冷たい反応などが影響していると指摘し、こうした不満がミサイル発射問題を巡る中国の説得失敗につながったとの見方を示している。(2006年7月18日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe4100/news/20060718i304.htm
金総書記:激ヤセは「ダイエット」 韓国情報機関所長判断
【ソウル西脇真一】北朝鮮の金正日(キムジョンイル)総書記が急激にやせたことについて、韓国の国家安保戦略研究所の南成旭(ナムソンウク)所長は1日、金総書記が「病気の後遺症克服のため、1月以降にダイエットしたとみられる」と述べた。同研究所は韓国の情報機関である国家情報院の傘下組織。聯合ニュースが伝えた。
南所長は、韓国人記者団との懇談の席上で明らかにした。各種情報を総合し、病気に伴う体重減少ではないと判断。「回復に自信があるからダイエットをしたのではないか」と述べた。
金総書記は昨年8月に脳卒中で倒れたとされ、今年1月に中国共産党の王家瑞対外連絡部長と会見した際は、腹部のふくらみがすっきりしていた。
さらに、朝鮮中央通信が3月19日、大学施設を視察する金総書記について報じたが、公開された写真はさらにやせ、やつれているように見えた。南所長は「後遺症のためダイエットを始めるには時間が必要だが、金総書記は1月から始めたのではないか」と分析している。(4月1日 毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/today/archive/news/2009/04/01/20090402k0000m030084000c.html
北朝鮮またミサイル発射 核実験後に6発を乱れ撃ち
【ソウル=水沼啓子】韓国の聯合ニュースは29日、北朝鮮が同日午後6時(日本時間同)すぎ、北東部の咸鏡北道舞水端里から短距離ミサイル1発を発射したと報じた。北朝鮮のミサイル発射は25日の核実験後、6発目となる。(5月29日 産経新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090529-00000608-san-int