今日の話題は「中国の世界遺産」です。
報道によりますとニュージーランドのクライストチャーチで開催中のユネスコの世界遺産委員会において、「中国南方カルスト」(雲南チワン族自治区・貴州省・重慶市などの雲貴高原に広がる広大なカルストの総称)、「開平望楼と村落」(広東省)の2か所が新たに世界遺産に選出されたそうです。
「中国南方カルスト」内の観光地ですが、雲南チワン族自治区の石林、貴州省リー波県、重慶市武隆県が特に有名だそうです。最大の観光地はやはり石林でしょう。知名度も高く、世界各国からの旅行者が絶えません。雲南省昆明の観光地で筆頭に上げられるほどの有名地で同名のタバコも中国各地で見られます。私はたまたまこの夏、石林を旅行先として考えていましたので正直ビックリです。
「開平望楼と村落」はこのたびの報道で初めて知りました。紹介記事を引用させてもらいますと、『開平市は華僑のふるさととも呼ばれ、古い西洋風建築「望楼」が林立している。最盛期には3000以上あったといわれる西洋風建築も、現在では開平市内15の村で1833棟のみが残っている。1920年代から30年代に建てられた「望楼」は、主に当時のヨーロッパの雰囲気を色濃く映し出すと同時に、中国伝統の建築様式もふんだんに取り入れられ、「華僑文化の最高傑作」や「中国と西洋が見事に融合した建築芸術群」との高い評価を得ている』そうです。機会があればぜひ行ってみたいと思います。最新版の旅行ガイドブックの出版が待たれます。
日本人の考える「世界遺産」は「大切に保存しよう」が真っ先に来ると思いますが、中国の場合では『世界規模で通用する正真正銘「本物」の看板が手に入った。金儲けに結びつけよう』がまず先で「保存は二の次」というのが現状ではないかと考えさせられます。
毎年発行の旅行ガイドブックが追いつかないペースでの入場料金の値上げ、三大祝日(春節、労働節、国慶節)時の入場料金加算など酷いものがあります。
また遺跡内係員、警備員の労働態度の悪さ、及び保存意識の低下。遺跡保存技術の低さに加え向上改善意欲なども感じることが出来ません。
私も中国の世界遺産は数多く訪れましたが、遺跡への落書き、破壊、低レベルな修復、さらにはゴミなどガッカリさせられることは多かったです。
偉大な先人は自分たちの子孫に対して嘆いていることでしょう。
最後に「中国の世界遺産リスト」を掲載しておきます。この夏休みの旅行先にいかがですか?
中国の世界遺産 (遺跡名称、遺産種別、登録年・拡張年)
1. 泰山 複合遺産 / 1987
2. 万里の長城 文化遺産 / 1987
3. 北京故宮と瀋陽故宮及び明・清朝の皇宮群 文化遺産 / 1987、2004
4. 敦煌の莫高窟 文化遺産 / 1987
5. 秦の始皇陵 文化遺産 / 1987
6. 周口店の北京原人遺跡 文化遺産 / 1987
7. 黄山 複合遺産 / 1990
8. 九寨溝の渓谷の景観と歴史地域 自然遺産 / 1992
9. 黄龍の景観と歴史地域 自然遺産 / 1992
10. 武陵源の自然景観と歴史地域 自然遺産 / 1992
11. 承徳の避暑山荘と外八廟 文化遺産 / 1994
12. 曲阜の孔廟、孔林、孔府 文化遺産 / 1994
13. 武当山の古代建築物群 文化遺産 / 1994
14. ラサのポタラ宮歴史地区 文化遺産 / 1994、2000-2001
15. 廬山国立公園 文化遺産 / 1996
16. 峨眉山と楽山大仏 複合遺産 / 1996
17. 麗江旧市街 文化遺産 / 1997
18. 平遥古城 文化遺産 / 1997
19. 蘇州の古典園林 文化遺産 / 1997、2000
20. 頤和園、北京の皇帝の庭園 文化遺産 / 1998
21. 天壇:北京の皇帝の廟壇 文化遺産 / 1998
22. 武夷山 複合遺産 / 1999
23. 大足石刻 文化遺産 / 1999
24. 青城山と都江堰水利(灌漑)施設 文化遺産 / 2000
25. 安徽南部の古村落−西逓・宏村 文化遺産 / 2000
26. 洛陽の龍門石窟 文化遺産 / 2000
27. 明・清朝の皇帝陵墓群 文化遺産 / 2000、2003-2004
28. 大同の雲崗石窟 文化遺産 / 2001
29. 雲南三江併流の保護地域群 自然遺産 / 2003
30. 古代高句麗王国の首都と古墳群 文化遺産 / 2004
31. マカオ歴史地区 文化遺産 / 2005
32. 河南省安陽の殷墟 文化遺産 / 2006
33. 四川ジャイアントパンダ保護区群 自然遺産 / 2006