
先日ローライフレックス点検調整クリスアップを依頼されました
このローライフレックス35や28の中でもシリアルナンバー先頭が220の数字が刻まれているものは,
コンパシャッターの中でも特別な形式になっています。
シャッターの呼び名は正確にはわかりませんが、私の中ではメカニカルシャッターとよんでおります。
シリアルナンバーで言うと22000000~22999999だと思うのですが,
この間だけシャッターの形式が変わっています。
当時シャッターが組み替えられ新しい試みに挑戦したものだと思います。
通常のコンパシャッターは二眼レフであるローライの中に入るとクリック感もかなり悪く、
シャッタースピード絞りのダイヤルフィーリングが極端にわかりにくい本体などもあります。
おそらくそういうことから、デジタルチックなフィーリングを蘇らすためにこのメカニカルシャッターが採用されたものだと思います。
確かにクリック感はよくなっていますローライ特有のダイヤルのつまりもかなり解消されています。
しかしながら、どういう原因かわからないのですが、このシャッターに限ってスローシャッターが不安定な状態のものが多いです。
普通のシャッターが不安定じゃないという訳ではないのですが、シャッター音が不安定に感じることが多くあります。
お客様から依頼され、シャッターが不安定なんだけど!『では1度拝見させていただけますか』
そして到着して拝見させてもらうとやはり220番台です!
私がスムーズさはある程度までしか直りませんよと言うと、止まりませんか?と答えが返ってきます
220番台はいつもこんな感じですよただ止まったりはしないと思います。
というような会話がよくあります。
グリスの粘りなんかで止まったりすることは多くありますが、
スローシャッター音がウネるような感じの音だけではスローシャッターは停止しません。
メンテナンスに関しては、従来のコンパシャッターに比べるとパーツ総数も多く、
分解した時位置のマーキングをしっかりしておかないと、後で大変な時間がかかってしまいます。
ローライフレックス28に関しては、後ろ玉が遮光生地の中にめり込んでいるため、分解するとかなり厄介な状態です。
あまり他社の修理ブログでは掲載さられていないようですが、お買い求めの際は必ずチェックしておいた方が良いポイントだと思います。場合によっては修理代も高くなります。
そして230番台になると,またもとのコンパシャッターに戻っています。
なぜこのシャッターを改良していかなかったのか疑問は残りますが、前進し続けるローライの強さを感じます。
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