
Zunow50/1.1のレンズです。
この50ミリには2タイプあります。
1つは後玉がフラットで少し凹面になっているようなレンズです。
もう一つのタイプはこの写真にあるようなピンポン玉のように後玉が盛り上がっているタイプです。
何故なのかは、良く解りません。
ピンポン玉タイプの方が写りは少々柔らかい感じがします。
このレンズの修理依頼は後玉のバルサムです。
写真を見て頂いても、お解りに成るように、(後玉から内側絞り面にかけて2番目のレンズに成ります)カケが沢山あるのが見えますでしょうか?
このレンズ自身がバルサム接着の修理レンズになります下のほうにカビの様にも亀裂の様にも見える、それがバルサムです!
凄く難しい仕事です!
それはなぜか?カケている部分のレンズは鋭利で凄く薄いと言うことです、熱を加えすぎたりすると脆くなりカケがもっと悪化していく可能性があるからです。
それとカケている原因は、このレンズ自体の構造がありえないほど不安定に作られてるからです。
カケているレンズの前にもう1枚レンズが乗るのですが、お互いのレンズとレンズを押し合う形でセッティングされています。間には、薄いワッシャー1枚がガラスとガラスの支えになっています。
そしてレンズの組み立ての際に、強く締め込むとレンズが壊れ始めると言う現象になる訳です。
ほとんど構造上の欠陥ではないでしょうか?
それでもこのレンズは人気があり高値で取引されているようですが・・・・確かに写りも含め、あまり類を見ない一品です。
今の状態は幸いなことに組んでしまうと、通常の状態からは、かなりカケは見えにくいということです。
ただ今後カケが進行していくとレンズ内部を見たときに、亀裂の様に見えてくるということになりかねません。
それではお客様も納得できなく成ります。
この問題を、お客様の方にお伝えし了承してい頂いたうえでしか、バルサム接着の進行はできません。
たとえ了承いただいてもカケると、かなり気が引けます!
それでも、進行で、と言うことだったので、120パーセント神経を集中して何とか成功に持っていくことができました。
自分を褒めてあげたいです。
お客様自身もこれを了承していただくということは、すごく勇気がいることだったと思います。
年月の立ったレンズです、経験があるからといって、あえてリスクのあるところには誰も望たくありません、しかしこういった難しいものは、修理を応援してくださる、お客様がいて成り立つものだと自負しております。
いつもご理解していただいてるお客様に感謝しています、ありがとうございます。
また何か思いつくものがあれば、どんどん掲載していきたいと思います。
そして、これからはまた少し趣向変えて直感的なものも掲載していきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
季節の変わり目です風邪など、ひきませんように、体調管理には十分
注意して下さい。
それでは、またです・・
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橋本カメラワーク 橋本博
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