
先日ニコンSPと一緒にニコンの50/1,1をお預かりしました。
本体も一緒に修理するお約束でお預かりしました
しかしこのレンズが難しい状態だったのは、まず絞りが変形していて動かないので
レンズのピントや腐食のダメージがわからない状態からの見積もりだったので
予測することでしか見積もりが取れませんでした。
あと多少予想はついていましたが後ろ玉にバルサムらしき状態が見られました
正直どこまで完成度がでるかは未知数でした。
修理進行の依頼をいただき1つずつパーツを確認しながら分解し始めました
やはり後ろの玉にバルサムがありました、このパターンのときは腐食が激しく
研磨を余儀なくされる場合があるのですがその部分は逃れた状態です
1.1と言う人間の目に近い明るさのレンズなので研磨するとなると少しの研磨でも
ピントへのダメージが大きいからです。
あと絞りが変形した状態で、おさまっていたので、その絞りを外し、割れやチギレ・亀裂している部分がないか
確認し変形している部分を徐々にもとの状態に修正していきました。
写真で見てもらうとわかる様に部分的にバルサムが剥がれて見えるのではなくて
完全にハクリしたような状態で鏡胴の中で真っ二つに外れていました
(小さなショックも重なれば真っ二つに外れてしまうこともあります)
これらの修理を1つたりとも作動しない部分やバルサムがつかない部分を残しては
修理として成立しないのが修理屋の定めです。
だからこうして全てベストな状態に出来たことは本当に嬉しいと感じる瞬間です。
お客様のもとに届けるまでなかなか一筋縄ではいかないことが多いです。
でも喜んでいただけるお顔を見たりメッセージをいただくことで次もできるだけ無理をしてでもがんばろうと
思うことができます。
あと難しいのはお客様がどれほどの完成度を期待しておられるのかを判断することです。
その部分にギャップがある場合、ご説明をさせていただきご納得いただけるように説明するのも
修理屋の判断と知識が問われる瞬間でもあります。
皆様も修理がございましたらできるだけ
ご理解いただきご納得いけるように対処いたしますので
何かありましたらお気軽にお申し付け下さい。
ただし修理屋は修理をするものなので決して新品にはなりません!

お客様も喜んでいただけたようでよかったです

バルサムも順調に張り付き完成した状態です、この件は本体も順調に整備できました。
ではまた何か面白いものがありましたらブログに掲載いたします。