「LEICA SUMMILUX M 35mm F1.4 ASPHERICAL 」
カメラ

先日業者様よりお預かりし修理させていただい
ライカ ズミルックス 35/1.4 ASPHERICAL です
このレンズ自体は 紅玉 の いわゆるバルサムが 劣化している状態です
このタイプの後玉の劣化はもう5〜6本度程度見ました、もしかすると新しいレンズながら後ろ玉に弱点があるのかもしれません
依頼としてはレンズ清掃と後ろ玉部分のバルサムを解消してほしいということなのですが・・・
正直 経験がありません 通常のバルサムの接着剤ではなく、おそらく UV 硬化剤という接着剤を使用していると思います 、UV 硬化剤のレンズは何度も経験しているのですが このレンズは非球面ということもあり 正直どんな状態で剥がれてくるのか未知数でしたので
通常バルサムは割れやかカケ 茶色く変色してまったりする可能性というリスクが あります、 それ以上に UV 硬化剤はリスクがあるということです。
なので、お勧めできませんということを申し上げたのですが、このままの状態では、 販売が難しいということで リスクを取ってでも
橋本さんを信じて進行します、とのこと・・・ そこまでおっしゃってくれるのであれば修理職人として何とかさせて頂きたいと思うのは、当然です
強いプレッシャーの中、念入りにイメージを繰り返し、かなり特殊な方法を使ってレンズの接着を外すことができました 。

しかし3番目の写真を見ていただくとお分かりの通り通常のバルサムとは違い剥がれてからもその接着効果が、こびりついて、なかなか一筋なではでは完成させてくれません
こびりついた接着剤を時間をかけて念入りに除去しました、少しでも残っていると次の工程である接着に影響を及ぼすからです。
そして完成度の高い状態で、業者様にお返しすることができました。
ピントも抜群に来ています。
余談なのですが、バルサムが弱ってくると隙間ができ解像力にも影響し始めると言う現象があります
バルサムをそのままに放置するかは、解像力をとるか、または、リスクを取ってバルサム蒸着に望むか、それは持ち主次第だということです
こういう難しい特殊なレンズの場合 私としても全責任を取るということは できません 。
お客様もそのことを十分ご理解の上 修理を進行していただきたいと思います
これでまた一つ非球面のレンズでも、私の経験値が上がって幅が広がっています、 今後も勉強は怠りません
それではまた何かあれば掲載させていただきます。
ありがとうございました