先日ピコレット・カメラの蛇腹の張替を致しました。
このカメラはベスト盤サイズのフィルムを使用するタイプで、お客様は独自で
ブローニーフィルムを細断する道具を作りベスト盤として使っています。
今回の以来は蛇腹の特注と張り替えそれにシャッターの調整です
この蛇腹の製造はかなりテクニカルで。下の写真を、見て頂くと本体の蛇腹が納まるスペース
にシャーシが一本通っています。
この部分が折り目の谷の部分に入り込む形を絶対条件として、製造する事に成ります。
なぜなら?山の部分に当たると、開閉式カメラなので、閉まらなくなったり、
又はシャーシに山部分が当たれば蛇腹が変形することが間違いないので、
それらの状態になる事だけは、避ける必要があるのです。
私が依頼する設計の図面数値と職人さんの腕にかかってきます。
元の蛇腹素材も皮で経年変化しオリジナルの数値が解り辛い状態なので、私と職人さんが
同じ志であることと、カンが頼りです。
そうして出来上がったのが写真右の蛇腹です。
取り付けるまで、いつもドキドキです、失敗は納期が一か月以上伸びることになります。
私と職人さんのリスクはいつも高い位置にあります。
しかしカメラ蛇腹の制作は、ほとんど受ける修理会社はありませんので、皆さまに喜んで頂ける
のであれば、橋本カメラワークが出来る限り続けて行きます。
このカメラも、お客様のもとに無事に届きました。
ご本人様が読んでいただけているのであれば、一つお願いがあります。
楽しみなのは、十分に解りますが、急かすのだけはお止め下さい(笑い)
そして修理させて頂いて、ありがとうございました。
ではまたなにかあれば掲載致します。
橋本カメラワーク 橋本 博