どうも初めまして、新入りアルバイトのOと申します。バックナンバーで出ているOさんとは別人ですので以後お見知りおきを。
私の趣味は競技ダンスと呼ばれるもので、「競技ダンス」とは一般に「社交ダンス」に競技性を足した、男女が2人1組で踊るスポーツを指します。
4年前、私が競技ダンスを始めたのと同時に月刊マガジンで競技ダンスを題材にした漫画「ボールルームへようこそ」の連載が始まりました。
「ボールルーム」は競技ダンスの英名「Ball Room Dance」が由来です。「競技ダンスの世界へようこそ」ということですね。
私の大好きな漫画で、今年の9月には単行本の8巻が発売されるということで今回ご紹介しようと思います。
主人公の平凡な学生生活を送る中学3年生の少年、富士田多々良が不良に絡まれているところを、後に師になるプロダンサーの仙石要に助けられ、
これをきっかけに主人公が競技ダンスの世界にのめりこんでいくという物語です。
この作品の良い部分は、競技ダンス未経験の主人公と大半が未経験者であろう読者の視点が近しく、主人公がダンスそのものを見たり、
競技会を体験した時の情景や競技ダンスの知識が漫画を読むだけで自然に入ってくるので、マイナーな題材ながら読みやすいという点です。
また登場人物がダンスを踊るシーンも素晴らしく、男性の衣装や女性のドレス、踊る男女のシルエットの綺麗さにもこだわりが感じられます。
それらはただ漫画を読んいるだけなのに、どこからか音楽が聴こえてくるような錯覚すら覚えられる程なのです。
個人的には主人公が競技ダンスを通じて成長、葛藤する内心の描写がダンスを始めたころの自分に重なり、多々共感するシーンがありました。
華々しく優雅な競技ダンスの世界の裏で繰り広げられるダンサーの苦悩や葛藤が隠されることなく、「敵」のように主人公の前に立ちふさがり、
それを乗り越えていく様子はまさに少年漫画の「王道」であるといっても過言ではないでしょう。
「ボールルームへようこそ」は競技ダンスをご存知の方もそうでない方も楽しめる作品だと思うので是非読んでみてください!

『ボールルームへようこそ 1巻』
講談社 月刊少年マガジンコミックス
竹内友・著
463円

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