26万部のベストセラー「食堂かたつむり」が映画になりました。
2010年2月6日(土)全国東宝系。主演は、柴咲こうさん。
この本を読むと、スローフード、スローライフという言葉が頭に浮かびます。
山ぶどうからつくる、バルサミコ酢。完成するのは、12年後。野生のザクロをつかったザクロカレー。林檎のぬか漬け。季節の野菜のみの、ジュテームスープ。洋ナシのフルーツサンド。それに、エルメスのすべてを使った料理の数々。
すべては、それぞれの食材の”命”を大切に、ゆっくり、ていねいに作った料理です。
食と命。心と食。このつながりの深さを感じます。
香りまで感じられるようなこれらの料理に。山々の風景に。木々や草花のみずみずしい姿に小川糸さんのこだわりが光ります。
言葉の響きが美しいのは、そのリズムが心地いいのは、作詞家 春嵐さんならでは。言葉の力を、誰よりもわかっているからでしょうか。
小川糸三は、作詞家 春嵐さんとして、fairlifeというプロジェクトで活躍しています。
作曲家 浜田省吾さんとともに、多くのミュージシャンに、楽曲を提供しています。
今回の映画主題歌「旅せよ若人」も、この二人の作品です。そしてボーカルは、ポルノグラフィティの、岡野昭仁さん。昭仁さんの、力強くあたたかみのある歌声を、ぜひ聴いてみてください。
そして、小川糸さんの、二作目「喋々喃々」も、すみずみに、こだわりの感じられる恋愛小説です。ここで描かれている女性には、リンとした1つの”芯”があります。
なよやかで、柔らかで、優しげで、けれどリンとした美しさがあるのです。
こちらもぜひ、映画上映とともに、読んでみてください。
食堂かたつむり
発行所=ポプラ社
著 者 小川糸
税込価格 1,365円

5