著者の池田清彦先生は最近、TVにも出演されているので、ご存知の
方も多いのではないでしょうか。
今回私がこれを読んだきっかけもそこで、どんなことを書いていらっ
しゃるのかが気になったからです。その中でもこのタイトル。
「やがて消えゆく我が身なら」
普段でもちょっと、今なら尚更ショッキングに思える書名ではないかと。
現在は医療が進んでいますから、いづれ自分が消えゆく身だと捉えること
自体が少ないと思います。私などは、縁起が悪い気もしてしまいました。
でも、いつかは確実にあるのだと、今回の震災で理解しました。
ご両親や若い友人たちとの別れから、池田先生は何度も書いています。
したいことは、今、はじめるべきなんだと。
いつもと同じ明日は、保障されてはいないのだからと。
何かで読みましたが、して失敗したことより、なにも行動しなかったこと
の方がより悔いが残るそうです。
すればよかった後悔リスト作りをやめて、こうしていられることをもっと
有効に使えるようになりたいと思いました。
こう書くとすごく真面目な内容のようですが、実際は先生のトークのように
ざっくばらんで少し挑発的。
おもしろく読めるのではと、思います。

『やがて消えゆく我が身なら』
角川ソフィア文庫
池田清彦・著
660円

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