旧約聖書によると、最初に作られた人間は「アダム」で、
その肋骨から、女性の「イブ」が作られたとされています。
今回読んだ「できそこないの男たち」によると、この説は
誤りだそうです。
生物学的にみると、生命の基本仕様は女性なんだとか。
胎児は、女性の染色体しかもたずに最初の数週間を過ごし、
そのあと、男性に変化していくそうです。
もちろん、どちらが先かで優劣うんぬんなど言うつもりは
ありません。ただ私には、とても興味深かったのです。
最初の命の誕生から10億年もの間、メスだけであったこと。
今もアリマキという昆虫のように、単性で子孫を残す生物が
沢山いること。
著書の中で福岡伸一さんは、男性の遺伝子を「使い走り」と
表現されているところがあります。女性の縦糸の橋渡しをする
弱い横糸だと。
でも縦と横に糸をはることで面になり、様々な模様になるの
だと思うのです。
違うものとの出会いで、更によいものになるのです。
普段は、男女の違いにイラ立つこともままありますが、その
ことが、自分を豊かにしてくれるのかもしれないと思いました。

できそこないの男たち
光文社新書
著 者 福岡伸一
税込価格 861円(本体820円+税)

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