2010/7/26

読書日記.43  その他

<乱読王の読書日記.43>

夏は2人甘い蜜に溺れ 灼けた肌を重ねる           強い酒を煽るような恋に 目眩さえ憶えて

0626
昼過ぎ、雨の中、肥後橋の国立国際美術館のルノワール展に行く。この美術館にしては珍しく長い列が出来ており、30分並ぶ。内容としては悪くなかった。あまり油彩に興味のないおれだが、どの作品も美しくて良かった。ルノワール展の後、近くのカレー屋の得正で昼食。食後、行きつけのバールPORCOでコーヒー。片岡義男の短編「バラッド30曲で1冊」を読む。その後、西梅田に戻り、モンゴル整体院。フヌスト師に治療をしてもらい、歪んだ体がかなり回復。駅前第1ビルの地下にある、麺屋7.5Hzで夕食を食べ、いつものピッコロ2でコーヒーを2杯飲んで帰宅。

0627
昼に起床し、三宮の神戸珈琲の深炒豆を挽いてコーヒーを入れ、トーストを食べる。その後、リー・モーガンを聴きながら、デザイナーの友人に頼まれていたキャッチフレーズ案を作る。夕方、宝塚記念。ブエナビスタとセイウンワンダーを中心に、馬連ボックスの馬券を携帯で投票するが、優勝は超伏兵のナカヤマフェスタだった。完敗だ。これで春競馬は終了。競艇のグランドチャンピオン決定戦もあったのだが、口座に資金を振り込み忘れて、投票できなかった。競馬の後、近くのスーパーに食材を買いに行き、今日はコロッケで軽めの夕食。夕食後、膳の水割りを作って飲みながら、数年前に録画していたNHK番組「爆笑問題のニッポンの教養」を観る。おれがハイパーメディアクリエイターの高城剛と共に、20年来追求している編集工学者・松岡正剛の回を観る。何度も観ているが興味深い。編集工学というのは一朝一夕で理解できるものではない。その後、膳のハイボールを作って飲みながら心霊ヴィデオを観つつ「現代殺人事件史」を読む。

0702
退勤後、茶屋町のタワーレコードに行き、夏休みに観るためにサーフィン映画の「ハイウォーター」のDVDを買う。しばらくして待ち合わせた美容師ののんちゃんが来て、9階のグリル梅田で夕食。のんちゃんはもち豚のロースト、おれはブイヤベース。夕食後、英国パブのHUBでおれはウイスキー、のんちゃんはギネスビールを飲む。そのまま、中津の彼女のマンションに行く。今日はのんちゃんの誕生日なので、彼女の希望に合わせてホットケーキを焼く。ホテルオークラのパウダーを使用してみた。詳しくは書かないが、ホットケーキを焼くにはコツがある。熱いフライパンを冷やすなんてのじゃなくて、飛び切りのコツがある。それできれいに焼けたホットケーキに、チョコレートを配合したホイップクリームを添える。もちろんおれはバターだけ。エスプレッソを淹れて2人で食べる。なかなか美味。その後、立ち仕事で疲れているのんちゃんに指圧する。整体師としてのゴールに進まなかったおれだが、こういうところで役に立つのなら、技術を学んで良かったのだろう。明け方にタクシーで帰宅する。

0709
退勤後、三番街の花柳で夕食を食べ、茶屋町のタワーレコードで、「今度は愛妻家」のスペシャルエディションのDVDと、ビル・エヴァンスのCD「エヴァーラスティング」を買う。早めに帰宅。深夜、「エヴァーラスティング」を聴く。どの曲も素晴らしい。究極のベストというべき内容だ。MASHのテーマが入っているあたり泣かせる。

0710
1500三宮。インド料理屋ナタラージャで昼食。その後、栄町の帆布鞄店TANDYに行く。今日は美人の奥さんではなく、イケメンで優しそうな旦那さんがいた。今日はフランス軍テント生地によるリュックサックをオーダー。表面はテント生地の薄い茶色だが、内部の帆布を珍しく赤にしてもらった。そしてリュックの紐を少し長めにしてもらう。満足だ。その後、南京町をぶらぶら歩いていると、以前に大晦日にY嬢と神戸に来た時に前を通ったジャズ喫茶M&Mがあったので入ってみた。神戸に来たらJAMJAMによく行くのだが、この店もすごく感じが良くて、また居心地もいい。少し寛ぐ。M&Mの後、センター街の海文堂に行き、関裕二「藤原氏の正体」を購入。それから三宮まで戻り、ジュンク堂書店で、価格は高いが松岡正剛「物語編集力」を購入した。三宮駅前の東方食堂で夕食を食べ、いつものブックカフェでコーヒーを飲んで帰宅。

0716
久しぶりにブックファーストリビングカフェに行ってアイスコーヒーなど。向かう途中で、今夜の酒を約束していた真紀子嬢が、急遽会議が入って行けそうにありませんとの連絡があり、その代わり、一人で行く予定だった明日のレンピッカ展に一緒に行くことになった。アイスコーヒーを飲みながら片岡義男「私は彼の私」を読む。暑い夏は片岡義男の短編がいい。長編はやはり秋だな。パッと読んでパッと終わる短編がお勧め。その後、帰宅する。帰宅して、部屋をクーラーで冷やし、ブレッド&バターのライブDVDをスタンバイして、キッチンでホットケーキを焼く。高木康政シェフのケーキミックスというのが成城石井に売っているんだが、これが本当に美味しい。森永のホットケーキミックスの時代より格段の進歩を遂げている。ホットケーキを焼き、クーラーの効いた部屋でアイスコーヒーを飲みながらブレッド&バターのライブを観る。これこそ週末の至福のひとときではあるまいか。

0717
少しだけ早めに起きて、讃岐うどんを朝食に茹でて食べる。その後、外出。1330西梅田のカレーショップのミンガス。昼食後、阪神電車に乗る。御影で乗り換え岩屋で下車。岩屋駅の改札で真紀子嬢が待っていた。1500兵庫県立美術館のレンピッカ展。結構人が多かった。流れるように見て、早めに退散。どの作品も良く出来ていた。再び、岩屋駅から阪神電車に乗り、元町へ。ジャズを聴いてみたい、という真紀子嬢のリクエストで、南京町の外れにあるジャズ喫茶M&Mへ。リクエストOKらしいので、今回はビル・エヴァンストリオの「ポートレイト・イン・ジャズ」をリクエストしてみた。ジャズ喫茶でのリクエストについてのルールは色々あるんだが、店のラックのレコード量を見て、あまりマイナーなものはリクエストしない。「ポートレイト・イン・ジャズ」ぐらいなら、ジャズ喫茶と看板を上げている店には大抵は置いてある。この店は特に音が良く、ジャズ喫茶初体験の真紀子嬢も喜んでくれた。1800三宮地下街のインド料理屋のナタラージャ。いつもは昼にしか来ないけれど、夜もやっているんだな。夜のメニューもなかなか美味しい。真紀子嬢の仕事の話を聞く。夕食後、ミント神戸タワーレコードへ行き、真紀子嬢はなぜかTUBE、おれは「波の数だけ抱きしめて」のリニューアルサントラCDを買う。その後、にしむら珈琲でコーヒーを飲み、終電で別れる。深夜、暑いので山下達郎「カムアロングU」のCDを聴きながらハイボール。

0719
連休3日目。昼前に起床し、讃岐うどんを茹でて朝食とする。1200箕面109。映画「必死剣鳥刺し」を観る。先日2回目の「隠し剣・鬼の爪」を観たので、このシリーズ最新作を観たくなったのだ。ご贔屓の豊川悦司も出ているので楽しみにして観る。悪くはない。悪くはないんだが、「鬼の爪」のようなカタルシスがない。豊川も池脇千鶴もすごく良いのだが、何か見終わった後の切ない気持ちにプラスして嫌な気持ちが残るのだ。続いて、映画「踊る大捜査線3 ヤツらを解放せよ!」を観る。もうすでにこのドラマの熱狂的なファンではなくなったが、やはりそれなりに面白い。女刑事役に内田有紀が出ているんだが、何かこの人はインパクトが足りなくなった。同世代の、彼女と似た系の遠藤久美子と演じる役が被ったことも良くなかったんだろうが、何か目立たなくなってしまった。このあたりで不倫に揺れる人妻なんかを演じて欲しいなあ。映画の後、ABCマートで来年の夏用のサンダルを買い、CoCo壱番で夕食を食べて帰宅。帰宅後、昨晩の「怪談グランプリ2010」を今一度観る。

0720
退勤後、地下鉄北新地駅でJ嬢と待ち合わせ。2100北新地つるとんたん。暑いので冷たいうどんを注文。美味しいうどんは温かくても冷たくても美味しい。2200水響亭。おれは山崎12年の水割り、J嬢はハイボール。少し懐かしい話に終始。最近、昔の友人やGFと懐かしい話ばかりしている。そのまま、ブルースの流れるBARへ。ブルースの巨人・B.Bキングのギターが流れていた。おれもキングのCDを何枚か持っているんだが、キングのギターは本当に素晴らしい。特にエリック・クラプトンと競演したアルバム(写真)がいいんだ。気がつけば深夜になっていたので、J嬢とタクシーで帰宅。
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0721
退勤後、田辺駅前のローソンで、先日アマゾンで注文した杏里の「COOOL」と、唯一持っていなかったホイチョイプロダクションの映画「メッセンジャー」のDVDを受け取る。「COOOL」は、杏里の角松3部作と呼ばれる作品で、「オリビアを聴きながら」の後、ヒットが出なかった杏里が、角松敏生をプロデューサーに迎え、今の音楽スタイルを作り上げた作品のひとつだ。「BI・KI・NI」、「TIMELY」、そして「COOOL」と続く。「COOOL」の収録曲では「モーニングハイウェイ」が秀逸。
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0722
1930退勤。2030マルビル地下のタワーレコード。杏里の旧作「BI・KI・NI」を購入。21001階のスターバックスでS女史と逢う。そのまま地下の東京純豆腐で夕食。S女史はコラーゲン入りのズンドゥブ、おれは海鮮ズンドゥブを選ぶ。夕食後、芝田町まで歩き、ドルフィンズバーで酒。彼女の相談にのる。結局、深夜になり、S女史と別れタクシーで帰宅。たまたまタクシーのラジオから、杏里の「サマーキャンドル」が流れていた。

0724
退勤後、梅田のブックファーストで服飾雑誌を買い、加藤和彦「エレガンスの流儀」と、おれの人生のバイブルとも言うべき「優雅の条件」を購入。これは雑誌SAVVYで連載されていた加藤和彦のエッセイ集だが、20年前にハードカバーで購入して以来、ボロボロになるまで読んでいるけれど、このたび新書版で新たに出た。このエッセイが現代でもまるで古くないところが素晴らしい。やはりトノヴァンは凄いのだ。その後、阪急地下街の花柳で夕食。夕食後、マルビル地下のタワーレコード。フュージョンコンピレーションの「BREEZIN」(写真)を購入。2300帰宅。
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0725
昼に起床。ホットケーキを焼いて朝食にする。卵と牛乳を多めに加えてパンケーキのように焼いてみる。美味しい。朝食後、部屋で、録画していた金曜ドラマ「うぬぼれ刑事」を3本観る。宮藤官九郎の脚本だけあって、馬鹿馬鹿しく面白い。坂東三津五郎がなかなかいい味を出していた。1900梅田。整体学校時代のGFのS嬢と会い、茶屋町とりごうへ。久しぶりの再会で懐かしい話。お互い整体師はやめてしまったんだがなあ。その後、喫茶YCでコーヒー。今度、須磨の水族館に連れて行って下さいと言われて快諾。水族館なんて、おれも長く行ってないよな。YCの後にS嬢と別れる。今日は天神祭りだが、疲れるのでもちろん行かなかった。浴衣姿の男女を多く見たが、なぜか遠山の金さんみたいに、浴衣の片肌を脱いでいる若い女を3人ばかし見た。流行っているのかな、あれは。


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2010/7/19

藤原氏の正体  読書

日本で一番不可解な一族

日本で最も栄華を誇りながら、一番不可解な一族である藤原氏。古代日本より現代まで、日本の裏面史に暗躍してきた謎の一族について、徹底的に調べて、推理して綴ったのが、関裕二の「藤原氏の正体」だ。

日本史の教科書を読んだ者なら誰でも知っている「大化の改新」。奈良時代の645年に、中大兄皇子(なかのおおえのみこ、後の天智天皇)と中臣鎌子(なかとみのかまこ、後の藤原鎌足)が、天皇家を凌駕して権力を握った蘇我入鹿(そがのいるか)を誅殺した事件である。この主従は見事入鹿を殺害し、蘇我氏を滅亡に追い込み、それによって天皇家の権力を回復させたわけだが、調べれば調べるほど疑問が湧きあがる。「大化の改新」が起こるまで、日本の歴史に藤原鎌足は一切登場しない。大化の改新(正確には乙巳の変。大化の改新は、乙巳の変以降の改革を総称してこう呼ぶ)の後、藤原氏は、突然現れた鎌足、そして長男の不比等で千年に亘る栄華の基礎を固める。

しかし藤原氏は、その最盛期でもある平安時代400年に安定期を迎えるまで、一族の礎となった天智天皇血統と、反藤原氏とも言うべき天武天皇血統で熾烈な闘いを続けてゆく。

その後、天下は源頼朝の鎌倉幕府、足利尊氏の室町幕府、そして信長・秀吉・家康と続く武士政権が続き、藤原氏の天下は翳ったように見えるのだが、天皇の外戚(天皇の義父等)となって、京都の朝廷では藤原氏の勢力は衰えていなかった。

余談だが、第二次世界大戦後に戦犯に指名されて服毒自殺した元首相の近衛文麿は、藤原氏の血統を継ぐ者である。近衛文麿は戦争中、昭和天皇に戦況報告する際、足を組みながら報告したという逸話がある。これこそが1000年に亘る日本裏面史に君臨した藤原氏の力を現すエピソードと言えないだろうか。

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2010/7/12

エヴァーラスティング  音楽

これを聴かずして、ビル・エヴァンスは語れない

ビル・エヴァンス「エヴァーラスティング」
先日、孤高の天才ピアニストのビル・エヴァンスの完全限定のベストアルバム「エウァーラスティング」が出た。早速買って聴いてみたのだが、これは凄い。今まで数多い名作アルバムを発表していたエヴァンス作品の完全なベスト盤だ。完全なベスト盤だからこそ、名演だけを集めたといっても過言ではない。

ビル・エヴァンスといえば1980年に亡くなったジャズピアニストだ。おれがジャズを聴き始めた頃に死ぬほど聴いていたアルバムは、スタン・ゲッツ「スウィートレイン」、マイルス・デイヴィス「クールの誕生」、ポール・デスモンド「ファーストプレイズ・アゲイン」、そしてエヴァンスの「ポートレイト・イン・ジャズ」だ。「ポートレイト・イン・ジャズ」の、A面1曲目の「降っても晴れても」の格調の高さはどうだろう。それに続くテイク違いの「枯葉」の2曲には完全にノックアウトされる。そしてアルバムの終り近くに収録されている「サムディ・マイ・プリンス・ウエルカム(いつか王子様が)」のリリシズム溢れる名演には神かがり的な何かを感じる。

今回の「エウァーラスティング」は2枚組、1枚目は「サムディ・マイ・プリンス・ウエルカム」から始まり、「枯葉」、そして「ワルツフォーデビイ」などが収録されている。2枚目はJTのCMでも話題になった「あなたと夜と音楽と」から始まる。この曲のフィリー・ジョー・ジョーンズのドラミングが大好きで、迫力溢れるアルバム「インタープレイ」に収められた同曲よりも、おれはこちらの方が好きだ。「あなたと夜と音楽と」の後は「不思議の国のアリス」や「スパルタカス〜愛のテーマ」などの名演が続く。個人的に何より嬉しいのは、「MASHのテーマ」が収められていることだ。ロバート・アルトマン監督の名作反戦映画の主題歌をエヴァンスがアレンジして弾いている。「自殺のすすめ」と訳されたこの名曲をエヴァンスの演奏で聴ける幸せ。そしてアルバムの最後は「降っても晴れても」。なんという曲の構成、なんというレベルの高さ。こんなアルバムが発売されるなんて、まだまだジャズ界も捨てたものではない。老舗雑誌「スイングジャーナル」が今月号で廃刊になってでも、だ。

20代の頃、阪急南茨城駅の近くに「ヒッコリーハウス」という伝説のジャズ喫茶があった。おれと同じく、ジャズの好きだった年上のGFと、彼女の車で週末によく通った。ゲッツ好きのおれと、ジム・ホール好きの彼女がたまにリクエストしていたのが、ビル・エヴァンスだった。マランツを通して流れるエヴァンスの曲を、おれたちはいつまでも聴いていたものだ。

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