2010/5/16

さらい屋五葉  読書

オノ・ナツメが描くスタイリッシュな時代劇画

眼鏡をかけた老紳士が働くイタリアのレストランが舞台の漫画「リストランテ・パラディーゾ」で人気を得たオノ・ナツメの描く時代劇画、それが「さらい屋五葉」だ。


事情あって、田舎の藩から江戸に出てきた侍・秋津政之助は、あるきっかけにより謎の誘拐組織「五葉(ごよう)」の頭目・弥一の用心棒をしてしまう。弥一に剣の腕を見込まれ、自らの意志とは逆に、五葉の一味にされてしまう政之助。正体不明で不思議な魅力をもつ優男・弥一、元盗賊で現在は板前の梅造、紅一点の美女・おたけ、無口な飾り職人・松吉、そして梅造の娘で梅造が経営する居酒屋の看板娘のお絹、一味と行動を共にする、通称“ご隠居”と呼ばれる老人など、登場人物は極めて少ない。

政之助、弥一、梅造、松吉、おたけの5人を、楓の葉に見立てて、この集団は自らを「五葉」と呼んでいる。誘拐集団といっても血生臭いことはせず、身代金が入るまでは、人質はご隠居の家の押入れで静かに監禁されているだけだ。当初、政之助は戸惑いながらも、弥一の雰囲気やおたけの優しさに触れて、五葉のひとりとして馴染んでゆく。

「リストランテ・パラディーゾ」の時にも感じたのだが、不思議なタッチのオノ・ナツメの絵が、現代ではない江戸時代(五葉)やイタリア(パラディーゾ)で暮らす人々の、他人が踏み入れることのできない、都市生活の孤独を匂わしているように思える。一見、雑なタッチの作画だが、読むうちに虜になる劇画でもある。

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現在、火曜深夜にアニメ版「さらい屋五葉」を放映中だが、こちらも優れたアニメーションだ。劇画は現在7巻まで発売中。
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