2008/6/28

インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国  映画


完全無欠な映画なのだが

この夏、最大の話題作「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」を観て来た。シリーズにして4作目、3作目「最後の聖戦」が1989年の製作だから、実に19年ぶりの新作と言うことになる。新作の時代背景も「最後の聖戦」から19年後の1957年となっている。

物語は1957年、アメリカのネバダ州にある"エリア51"と呼ばれるアメリカ軍施設内の機密品貯蔵庫へ、アメリカ軍人に変装したロシア人が、捕らえたインディ・ジョーンズを連れてくるところから始まる。この貯蔵庫に隠されている「ある物」を目当てにジョーンズを拉致したのだ。ここで最初のアクションシーンがあるのだが、ロシア人たちはまんまと目当てのものを盗み出し、インディはこの件についてFBI(アメリカ連邦捜査局)に睨まれ、「共産主義者」のレッテルを貼られて大学教授の職を追われてしまう。国外に出ようとするインディに、謎の革ジャンの青年が話しかける。 彼の名はマット。バイクとナイフの名手であり、ロシア人に襲われたインディを助ける。こうして2人は意気投合し、謎の力を秘める“クリスタル・スカル(古来の秘宝のクリスタル製の骸骨)を探しに南米に冒険に出かける。そしてインディを狙うロシア人たちも後を追う。

この新作「クリスタル・スカルの王国」は、第2作「魔宮の伝説」のテイストに一番近い作品だが、ストーリー的には1作目の「レイダース・失われた聖櫃」に繋がる伏線が多い。まず冒頭に登場するエリア51というアメリカ軍の機密品貯蔵庫は、「レイダース」のラストに「聖櫃(アーク)」を保存した場所でもある。また「レイダース」に出た登場人物が本作にも19年ぶりにそのまま重要な役で登場する。「最後の聖戦」の時に47歳だったハリソン・フォードが、今回は66歳になるわけだが、やはり昔に比べると老けた感は否めない。しかしアクションシーンでの活躍ぶりはやはり素晴らしい。映画自体も10分ごとにアクションシーンが満載で、ファンにはたまらない作品に仕上がっている。19年間待った甲斐があったというものだ。

もちろん俺もインディ・ジョーンズシリーズの大ファンだし、過去3作も5回ずつくらいは観ている。今回も非常に楽しみにしていた。そういう視点ではケチのつけようのない作品に仕上がっている。ただ不満がないわけではない。まだ上映中だし、ネタバレになるので詳しくは書かないが、テーマであるクリスタル・スカルとは何だったのか、という点だ。今までの「聖櫃」や「聖杯」などはどんな秘密が隠されていても、まだ考古学という範疇に入った秘宝だったわけだが、今回の「クリスタル・スカル」の秘密はどうかと思うのだ。観た時に、そういう点から来るのかと思ったのだが、それでは今までのインディ・ジョーンズじゃないし、クリスタル・スカルを中心としたストーリー全体が、ローランド・エメリッヒ監督の「スターゲイト」になってしまっているのだ。いや、この結末も賛否両論があるだろうし、こういう結末にしたのは時代の流れかも知れない。ただ、前3部作の熱狂的なファンである俺にすると少し残念に思うのだ。そのあたりは観る人の評価に委ねたい。

クリックすると元のサイズで表示します

http://www.indianajones.jp/top.html

「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」
(監督:スティーブン・スピルバーグ 主演:ハリソン・フォード)

乱読王の評価 ☆☆☆☆(最高は5つ星)
0

2008/6/23

オリヲン座からの招待状  映画


日本版ニューシネマパラダイスか

宮沢りえ主演の「オリヲン座からの招待状」を観た。非常に地味な作品だが、古き良き日本映画を思わせるいい作品だった。元々、俺は宮沢りえがそれほど好きではなかった。かつての宮沢りえは、歌手でもなく、アーティストでもなく、女優でもない、でも日本中を騒がせるタレントだった。今の沢尻エリカにある意味で似ていた。しかし貴ノ花との世紀の恋に破れ、その後、あのステージママの評判の悪さもあって、人気は凋落していったように思う。

しかし最近の宮沢りえは実に良いのではないか。肩の力も抜けて、いい意味で邦画にはなくてはならない女優になりつつある。その代表作がこの「オリヲン座からの招待状」だと思うのだが。

昭和30年代、先代の映画館主・豊田松蔵(宇崎竜童)が病に倒れ、その弟子であった留吉(加瀬 亮)が、その志を引き継ぎ、先代の妻・トヨ(宮沢りえ)と映画館「オリヲン座」を守る事となった。松蔵の死後、周囲の人々は師匠の妻を寝取った若主人、不義理な女将などと陰口を叩く。さらには映画産業が斜陽になり始め、貧乏に耐えながらもひたすら映画を愛し、2人は映画の灯を灯し続ける。そして何よりも純粋にお互いを思いやり、愛し続けたのだった。

一方、そんなオリヲン座を唯一の遊び場としていた幼い男の子と女の子がいた。2人はいつも映写室の小窓から名画を覗いて成長する。2人はやがて大人になり、結婚して東京で生活を送っていたが、いつしかお互いを思いやる心を見失い、別れを決意していた。そんな祐次(田口トモロヲ)と良枝(樋口可南子)の元に、まるで何かを予感させる様に、一通の招待状が届くのだった。それは子供の頃の思い出が詰まったオリヲン座だった。そして2人は閉館のための最終上映のためにオリヲン座に向かう。そこで2人を待っていたのは壮年期の留吉(原田芳雄)と、病によって命の灯が消えようとしているトヨ(中原早苗)だった。そしてオリヲン座を愛してきた人々が集まり、オリヲン座の最終上映が始まる。閉館の最終上映は、先代の松蔵、留吉、トヨの愛した、1943年の映画「無法松の一生」だ。蛇足ながらこの映画の主演の阪東妻三郎は田村正和の父親でもある。

宮沢りえはもちろん、主人公の留吉を演じる加瀬亮がいい。この人は映画版「ハチミツとクローバー」の真山みたいに、よくわからない役が多かった。しかしこの「オリヲン座からの招待状」や、「山のあなた 徳市の恋」あたりで、寡黙ながら味のある演技が開花したように思う。映画のエンドロールで、若い頃の留吉とトヨが写したモノクロの8ミリ映像が流れる。これを観た時、「ニューシネマパラダイス」のラストを思い出した。実にいい日本映画だった。日本映画もまだまだ捨てたものではない。

クリックすると元のサイズで表示します

http://www.orionza-movie.jp/

映画「オリヲン座からの招待状」
(監督:三枝健起  主演:宮沢りえ 加瀬亮)

乱読王の評価 ☆☆☆☆☆(最高は5つ星)

0



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ