英彦山TT
by にしやん
僕にとって7度目の英彦山TTです。
当初は50分台から始まった挑戦は毎年1〜2分縮めて今年は40分台&表彰台を狙う為に例年夏場はヒルクラ避けるのですが3ヶ月前から山中心に調整しました。
自分の中でも狙える手応えを掴みつつあったので今年はチャンスだと思ってました。
当日朝、会場入りしてすぐマットブラックのキャニオンのマシンが目に飛び込んで来ました。
このバイクは、あのお方しかいない…
この時点で表彰台枠が一つ消滅してしまいました。
気を取り直しコース試走に行こうとすると息子がどんぐりを差し出しくれお守りにポケットに入れておけば何か御利益があるかもしれないと思えました。
スタートは2列目で回りに猛者達も陣取ってます。
緊張の中スタートしいきなりの速い流れに乗り遅れない様に必死でくらいつきます。
ペースがどんどん上がり中切れも発生してたので見逃さず先頭集団に離されない様に距離を詰めて行きました。
人数が少し絞られて1列になって来た所で、ついにあのお方が一言「回して行きましょう!」しかし、みんなやっと落ち着いて一息入れたい時なんです。
みんなの反応の薄さに業を煮やし一人で行ってしまいました。
みんな同じ事を思ったはずです。
「さようならゴールで待ってて下さい」
いよいよ、ここから本番です。
絞られたとは言えまだかなりの人数が居ます。
戸立峠500m手前から前に出て少し踏んでみました。
tako会長も沿道で応援してくれてます。
そのまま下りに入り後ろを確認すると3人しかいません!
チャンスと思い下りでも4人でローテして後続を離しにかかります。
平地区間でも4人の意志疎通はとれててきれいに回して行けました。
平地から緩やかな上りが始まって1人切れ3人になり、この中の1人が表彰台から脱落の状況になりました。
相手は良く知ってる強い2人のI村君とI倉さんです
上りがきつくなってきてI村君が牽く割合が多くなってました。
僕の中のポイント11.5q地点の上田山荘からの上りに入りました。
ダンシングで付いて行きたい所ですが、力が入りません。
次第にきつくなり離されては詰めを繰り返しますが、自分のペースを乱してまで追うのは得策じゃないと思い一旦二人を見送ります。
14q過ぎて勾配が緩くなったら嘘の様に体が軽くなりました。
しかしもう前には2人の姿は見えません。
なんとしても4位の座は守ろうと下を向いて後ろから追われてると思い込み踏みました。
残り1qくらいで沿道から「にしやん!」の声が飛んで来ました。
呑さんでした。
「4位4位」と答えて残りの力を振り絞ります。
ここで後ろに誰か付いて来てるのがわかりました。
追い付かれたと思いましたがAクラスの選手が息を吹き替えし僕を追ってたのでした。
おかげでペースが上がり気合いも入ってました。
残り600mを切って信じられない光景が…
約100m前方にサイクルプラスのジャージの選手がいます!
I倉さんだ!抜けば表彰台!しかし距離が厳し過ぎる。
でも力が勝手に入って彼を追ってました。
距離は面白い様に詰まって行きます。
I倉さんも僕に気付き逃げます。
最終コーナー手前ですぐ背後に付きパワーをかけようと腰を浮かした瞬間両ふくらはぎが攣ってぴきーんと激痛がはしりました。
しかしこの状況では関係ありません踏むしかないです。
ゴールラインで僕のフロントホイールの方が少し早く通過したので勝ちを確信して回りの人が引くくらい雄叫びをあげました。
I倉さんは悔しそうに「くそぉー」と言って
二人並んで道路脇に倒れ込みました。
レースタイム40分30秒で今まで夢見てた英彦山の表彰台をやっと掴みました。
勝ったとはいえI倉さんの方が数段強かったし今回は色々な事が重なり運が良かっただけだと思います。
でもポケットに忍ばせてたどんぐり効果もあったかもしれません息子と表彰台に上れて良かったです。
今大会は規格外の方が数名出てて、とんでもないタイムを出してましたが英彦山TTは僕達、庶民ライダーが去年のタイムを少しずつ更新して行くのを目標にする。とても良い大会だと思います。
一緒出たBGのみなさん!きついけど楽しかったんじゃないでしょうか?
来年も一緒に苦しみましょう(笑)