最初の微笑と最初の手
知つてゐるかどうか、
あなたの最初の微笑が
どんなに私の心を撃つたかといふことを、
わたしとあなたの初対面の日、
あなたが瞬間の微笑を、
明るい眼で私に贈つてくれたこと、
それがあなたにとつて
どのやうに意味がない眼であつたとしても、
私にとつては衝撃であつた、
(続き)
「
小熊秀雄全集-8 詩集(7)恋愛詩篇」
今週結婚する学生時代の後輩たちにこの詩を贈る。十数年前、部室に最初に入って来た時に見せた彼らの微笑みと、お互いに対する接し方を見ていればとうに気づいていたはずなのに。
朴念仁な筆者には、彼らの心の中の情念は読み取れない。ただ一つ、運命の翼を押さえ合う事はあるまい、と信じている。

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