本日公開は、
「六号室」 チェーホフ アントン
ある日ドクトル、アンドレイ、エヒミチ、ラアギン院長は、六号室へ足しげく通うようになる・・・
此(こ)の六號室程(がうしつほど)單調(たんてう)な生活(せいくわつ)は、何處(どこ)を尋(たづ)ねても無(な)いであらう。
しかるに近頃(ちかごろ)に至(いた)つて不思議(ふしぎ)な評判(ひやうばん)が院内(ゐんない)に傳(つた)はつた。
院長(ゐんちやう)が六號室(がうしつ)に足繁(あしゝげ)く訪問(はうもん)し出(だ)したとの風評(ひやうばん)。
その末、院長の身に起こったこととは・・・
「人間はなぜ死ぬのか」という哲学的大命題。大命題にからみつく正常と異常の二つの世界。二つの世界は、いつでも逆転することができるのだとと読むか。また、どちらかがどちらかを取り込むことができるのだと読むか。
そういう堅苦しい見方もあれば、わたしは、登場人物がまじめであればあるほど、ペーソスあふれるユーモア小説として現代風に読む、または落語として語りを聞いてもおもしろいと思うのだが。

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