2006/7/31
夕方、納涼祭の盆踊りの音色が聞こえてくる
少女たちが勢いよく駆け出す
浴衣の裾が慣れない彼女たちの足元にまとわりつく。
下駄の足先も危うい
わずらわしさと危うさの中で自慢は、
カキ氷を食べた赤い舌
だれが一番赤いかと見せあって
赤い帯の少女たちはけらけらとよく笑う。
笑いながら媚態をかすかに含んだ眸で
少年の後ろ姿を見つめる
少女が少女であるということは
両手で包み込んだ空間から
指の間をするりと抜けていく時間を
したたかに生きること
(by ten)
「色ガラスの街」 尾形 亀之助
少女
少女の帯は赤くつて
ずゐぶんながい
くるくると
どんな風にしてしめるのか
少女は美く[#「く」に「ママ」注記]しい

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