Das Heidenröslein
Sah ein Knab ein Röslein stehn,
Röslein auf der Heiden,
War so jung und morgenschön,
Lief er schnell, es nah zu sehn,
Sah's mit vielen Freuden.
Röslein, Röslein, Röslein rot,
Röslein auf der Heiden.
gutenberg Das Heidenröslein
このドイツ語の正体は・・・
野ばら
童は見たり、野なかの薔薇
清らに咲ける、その色愛でつ、
飽かずながむ。紅におう、野なかの薔薇。
近藤朔風の訳詞
それで今日は・・
「花物語」 寺田寅彦
六 野ばら
・少し離れた崖の下に一株の大きな野ばらがあって純白な花が咲き乱れている。自分は近寄って強いかおりをかいで小さい枝を折り取った。
・自分はなんというわけなしに手に持っていた野ばらを道ばたに捨てて行く手の清水へと急いで歩いた。
二つの文章の間に流れるのは、寺田の、はにかんだ少年のような心持。”少年のような”といえば「野ばら」の作詞者の
ヨーハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテご存知のように70歳を過ぎて、少女に恋をした人である。
ところで、この歌詞の野ばらは、今でも教会の裏手にひっそりと咲いている。ドイツとフランスの国境の街
ゼーゼンハイム村 、先日テレビで映していた。戦争で教会は破壊されても、野ばらは残ったのだという。
ゲーテの思いよ、永久に!

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