「湯の町エレジー」。最初この話かと思ったのだが、実にリアルで納得してしまう話だった。
本日公開は、
「安吾巷談- 湯の町エレジー」 坂口 安吾
機転の利いた題がついているが、「湯の町エレジー」の歌詞の果てにありそうな、自殺・心中の後始末と全く艶のある話と無関係なようで、関係が大有りという泥棒の話である。
自殺・心中するものは、後始末まで考えていることが少ないという。そりゃそうだろう。目の前のことで精一杯なのだから。しかしそういった人の死を商売にしてしまうのだから・・やはり人間はすごい!海外では、幽霊のでる屋敷のツアーがあるそうだ。なるほど、”黄泉の国企業”の株の上場も近い将来あるやもしれない。
泥棒の話も恐れ入った。知能犯というのは、自分の頭でテクノロジーを使うものではなく、自分の頭で人を使うものなのだ!
エレジー-elegy・・悲しみを歌った楽曲・歌曲・詩歌。悲歌。哀歌。挽歌。と辞書にはある。”エレジー”ということばの持つ湿度が、安吾にかかれば、滑稽とさえ思えるのは、”安吾マジック”といったところか。

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