さて、明日は松本アルプス探検隊の仲間達と、恒例になった秋のキノコ狩り大会である。
今回の狩り場は、木曽の日和田高原。木曽でキノコを狩るのは初めてである。なんだか遠そうだなあ…。
集合時間は日和田高原のキャンプ場に早朝6時半。
地図で調べてみると、自宅から日和田高原まで、中央自動車道を使って約5時間半。
こりゃ、前夜に出発しないと到底間に合わないね。
てなわけで、早めに仕事を切り上げ、夜の7時半に横浜を出発する。
八王子から中央自動車道に乗って、勝手知ったる道を一路信州へ。
途中、岡谷JTCで、長野自動車道への分岐を左に見て、中央自動車道を名古屋方面に進む。
「そういえば、こっちに来るのは久しぶりだなあ。確か日和田高原は伊那で下りればいいんだよなあ」
なんて考えていながら、ぼけぇぇぇぇぇぇと運転していたら、ひとつ手前の伊北ICで下りちゃった。
「まあ、いいや。国道19号に出て、木曽方面に進めばなんとかなるだろう」
とは言え、天下無敵の方向音痴である僕のこと。念のためにナビのスイッチを入れる。
「500メートル先、左折です!」ナビのお姉さんがきっぱりと言う。
「え〜っ!? 左折したら元に戻っちゃうんじゃないの?」
ここは無視して直進してみる。
「リルートを開始します。300メートル先左折です!その後左折です!」
「だから〜っ!そっち行ったら戻っちゃうじゃん!」
「リルートを開始します。500メートル先左折です!その後、右折です!」
「違うってば〜!」
「リルートを開始します!」
ナビゲーションのお姉さんと、こんなやり取りを30分ほど続けるうちに、とうとう僕の方が根負けしてしまった。
「はいはい。わかりましたよ。言うとおりに走りますよん」
「500メートル先左折です!」
「はいはい」
「300メートル先右折です!」
「はいはい」
「次の案内まで直進です!」
「はいはい」
「間もなく高速道路入り口です!」
「………ほらねー。やっぱり伊北ICに戻っちゃったじゃん!」
なるほど、再び高速に乗って伊那ICまで進めというわけか。そんなことなら、最初からお姉さんの言うこと聞いてりゃよかった。
「高速道路入り口左折です!」
「はいはい…」言われたとおりにハンドルを切る……って…こっちは伊那じゃなくて岡谷JCT方面じゃん!
気がついた時はすでに遅く、僕の車は再び高速の上り方面に入ってしまった。
「ああそうか!ちくしょう!このお姉さん、諏訪南ICで下りて、杖突峠を越え、高遠を抜けてから伊那に入ろうとしているんだな!伊北まで着きながら、なんでこんな面倒くさいルートを選ぶんだよ。そのまま直進して伊那から行った方が全然近いじゃん!」
えっ…なに?ああそうか……。ナビが「高速道路優先」になってたのね…。
てなわけで、せっかく伊北までたどり着きながら、わざわざ来た道を戻り、高い料金を払いながら真夜中の高速道路をグルグル回り、何とか伊那ICにたどり着いたのが、夜中の1時過ぎ……。
最初に伊北ICで下りてから、すでに2時間経っている…。とほほっ
しかしまあ、今度はナビのお姉さんも、ちゃんと国道を目指しているようだ。
後は、新設された権兵衛トンネルを越えて一路木曽方面へ……って…お姉さん、あなたの指示通りに進んでいたら、どんどん道が細くなって行くんですけど……。
あぁぁぁぁぁ。もう車一台通るのがやっとだー。やがてナビの画面には、ノコギリの歯のようなギザギザの道が表示されて…。
真っ暗闇の狭い道、車のライトに照らされた道路縁の看板には「この先、落石頻発の悪路により通行禁止」の赤い文字。
「だ〜〜っ!ここは権兵衛トンネルじゃなくて、今は通る車もない権兵衛峠じゃん!」
おいら、もうヘトヘトなんですけど。
ホントに朝の6時半までに、キャンプ場に着くのかしらん……。

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