内地へ日帰りで出張したり、香港の中を重い荷物を持って動き回ったりと、ここ数日は実に忙しい。
昨日も朝から夕方まで、外へ出てみっちりと働いた後、そのままセントラルからエアポート エクスプレスに乗り、 展示会場やホールが隣接するアジアワールド エクスポへ。
まさかこの地で観られるとは思っていなかったエリック クラプトンの香港公演。 少し疲労が溜まっていたので、あまり良いタイミングでは無くなってしまったなと思いながら、電車で仮眠を取るようにして会場へ入った。
会場は幕張メッセのようなコンヴェンション センターの中に作られたイヴェント ホール。
だだっ広い通路を歩いていても、なんとなく展示会に来ているような感覚で、コンサート会場へ向かうという気持ちの高揚が得られない。
入り口近くのコーヒーショップあたりで待機するオーディエンスは、6割以上が西欧人といった感じではあるけれど、年齢層も高く、ファミリーも居たりで、ここ10数年でのクラプトンの浸透を感じさせる。

自分は、公演時間きっかりに入場。
入場時には、4割程度の入りも、香港スタイルの30分遅れの開演時間には、ほぼ9割5分の席が埋まった。 切符の売れ行きが悪ければ、公演の中止も有り得る香港、どのくらいの席が売れるのかと気にしていた自分の心配は杞憂に終わった。
昨年末の日本公演の流れを汲む今回のアジア ツアーでも日本公演と同様、毎回のようにセットリストを変えているようである。
何から入るのかなと集中しているとコンサートは割りと穏やかに「I Looked Away」から始まった。 ギタリストにオールマン ブラザース バンドで冴えたプレイを見せている デレク トラックスを加えている今回のツアーでは、亡くなったデュエイン “SkyDog” オールマンを髣髴させるように 「Tell The Truth」、「Key To The Highway」などのデレク & ザ ドミノス時代のチューンを多く取り上げている。
自分は、今回の木戸銭の半分は、若々しい感性を聴かせてくれたデレク トラックスに払ったつもりでいる。 時に走りすぎる部分はあったけれど、器の大きさを感じさせる豪快さと繊細を感じさせるギターを聞かせてくれた。
「Little Queen Of Spade」など、ブルース チューンの時に席を立つ客多し。
また、「Let It Rain」、「After The Midnight」など、70年代の曲の時をトイレタイムに移動する客も多かった。
「Running On Faith」は、アコースティックの弾き語りで、思い入れのある曲ではあるけれど、今回、自分が一番感銘を受けたのはこの曲。 ちょっと胸が詰まりそうになった。
オーディエンスが沸き立ったのは、「Wonderful Tonight」イントロが流れた時。ここから「Layla」へ繋いでクライマックスへと雪崩れ込ませた。 期待していた「Layla」のインストの後サビで、デレクのギターとECのギターが今一噛み合わなかったのが残念だったけれど。
アンコールで「Cocaine」、「Crossroad」。
「Crossroad」のビートを身体の中に響かせながら、会場を出て駅へと続く人の波に加わった。
香港で久々にWonderfulだった夜。
(左)自分の席から撮れた写真は、この程度。 ステージ中央の黒シャツでスラトを弾くECがわかりますか?
(右)今回着ていったジャニーマン ツアーの時のスウェットと昨夜のチケット。 スウェットには、1990年とあるので、もう16年も前のものになる。

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