この日の稽古の目標は三教と決めていた。
先週の土曜日の稽古の後、稽古生の中に疑問と不完全燃焼が残っている様子だったので、再度、徹底してやらなくてはと思っていた。
まずは、このところやっている交差取りからの大きな動きを呼吸法にして動いてみた。
取らせたところから、相手の腕を前へ導くように腕を使いながら転身、そこから腕を大きく振るように使って振りかぶり呼吸法へと入る。
とにかく大きく、中心からの力を放出するような感覚で動けば、相手は振られるように崩れてくれる。 力まずに中心からの振り出しを意識して動く。

続いて、三教の準備としての正面打ち一教。
当りから腕の返し、膝前への納めまでをしっかりと極めて、畳上の押さえへと入る。
相手の打ち込みを受けた接点が、もう一つの関節であるかのような繋がりで、腕の動きをシンクロナイズさせれば、緩い繋がりで最小限の力でも腕は返る。
押さず、引っ張らず、相手の崩れる方向へリードしてゆく。
緩い一教に馴染んだところで、いよいよ三教へ入る。
腕を返しで膝前へ納めたところで、三教に取る。 まずは切り下ろした手側の手を滑らせるように使って三教の取り。 掴むのは指ではなく、指の付け根の部分が自分の手のひらの中心にくる位地。
掴んだ後は、下から螺旋にねじ上げるようにしながら、もう一方の手で相手の手首と手刀部分を決めるように取る。
取る位地は、手だけでなく、手と手首をカバーするように、相手の手首関節が自分の手のひらの中央にくるくらいの位置。
相手の手、手首を両手で取ったら、腰を回転させ半身になり、わずかに背中方向へ回るようにして関節を極める。 相手とは正対せずに必ず半身、これは、ほとんどの技でも基本となる。
そこから、指側の手を放し、同じ側の脚を開いて正面に踏み込みながら当て身、当て身の手で相手の肘を引き下げるようにして一歩後退しながら、手を肘から肩に、さらに一歩後退して畳上の押さえと腕の極め。
型としては、当て身の後、二歩の後退で技を終える。
裏技の捌きは、半身での腕の極めの後、指側の手を放し、手首を取っている腕を伸ばすように下へ引き下げる。 この動作は同じ側の脚を同時に相手の背面へ踏み込むながら行う。
さらに前傾に崩れた相手の肩をもう一方の手で押さえ、踏み込んだ脚を軸にして転換、畳上の押さえと極め。
裏技も同様に、立っての極めの後は、脚の動きは踏み込んで転換の二歩のみ。
最小限の脚の運びで、正確な型の動きを身につけたい。
当初は、手の極めに気を取られ脚の動きがおろそかになる。
まずは、意識がほとんど脚へ向かず、脚を何度も動かしている。
手の取りが問題無くなったところで、手へ意識を忘れるようにして、必要以上に極めにこだわらないようにした。 どうしても、当初は相手の手をしっかりと極めたくなる。
意識を脚に変え、脚の捌きに集中することで、脚捌きを植えつけて行く。
表では、当て身からタン、タン、タンと三歩、裏では、腕を引いての崩しからタン、ターンと二歩、動きのリズムを意識することで、捌きと動きも変わる。
一時が万事、型の動きは当初から正確に身につけたい。
細かい型の動きが続いたので、理屈無しに豪快に動く正面打ち入身投げ。
かかり稽古で、一人が四本づつ受けを取り、次々にかかる。
受けは、すぐに起きて再アッタク、取りは、すぐに次の臨戦態勢を取る。
きびきびした早い動きで動いた後、座技呼吸法で終了。

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