借家住まいであれば、いたしかたないことなのだろうけれど、日本を離れてから何処に居ても同じ建物に二年以上暮らしたことがない。
現在のフラットへ移ってからも早二年が過ぎ、賃貸契約が満期になる。
大家からは更新しないかと言って来たけれど、家賃は値上げすると言うので、即答でお断りさせていただいた。
値上げしたい大家と、二年が過ぎて全てが古くなっているフラットに、より高い家賃を払うのは納得がいかない店子では、あまりに感覚が違い、折り合うはずもない。
引越しには大変なエネルギーを消費するけれど、同じエリアに次に移るべきフラットを探すことにした。

幸いエージェントの二回目の案内で、隣の建物に新装の部屋を見つけることができ仮契約した。
フリーのサラリーマンである自分は、駐在員の方々とは違い、エージェントの手数料から、引越し費用まで、全てが自分持ち、家賃も含め出来れば多くは使いたくないカネでもある。
それにしても12年の間に合計で9回の引越し、そのうち4回は海外引越し、まさに引越し貧乏とは自分たちのことと言おうと思ったけれど、引越しをしなくても貧乏に変わりはないので、そうとは言えない。 まさに綱渡りの12年の海外生活。
昨年暮れに帰国した際には、師範からも「あなたも落ち着かない人だねえ」と言われている。
確かに、季節のご挨拶をお送りする住所は、頻繁に変わっているけれど、師範からご指導いただいた合気道は、行く先々で支えになってくれている。
何が良かったことで、何が悪かったことなのか、そんなことは最期のときまでわからない。
禍福はあざなえる縄の如し、一喜一憂せずに、目の前のことに真剣に取り組んで入れば、次にすべきことは向こうからやって来ると信じる。 ただ流されているだけかもしれないけれど。
また一つの節目、改めて、何とかやって来れたこれまでの12年に感謝。

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