大切なヴィデオ数本をDVDに移すことができた。
某師範から頂戴した、先代吉祥丸道主の演武が納められている10年近く前の全日本合気道演武大会の記録、何遍ともなく観たニューヨーク合気会 山田嘉光師範の「Aikido Power & Basic U」、そして、フィリピン在住時に参加したシンガポールでのAAF ミーティングの演武会で、最後を締めた本部道場 藤田昌武師範とその受けと取らせていただいた自分の映っているヴィデオテープ。

ほとんど真っ直ぐに真下へ落とされる藤田師範の技、コンクリートの床に薄いウレタンフォームを敷いたシンガポールでの受けを取る際には、覚悟を決めて望んだ。
最後の演武が終わった時の喝采、そして無事に大役を務め終えた充実感と安堵の気持ちで胸を張って退場したこと、引き上げて来てから、多くの各国からの道友に「すごかったね」、「怪我しなかった?」と声をかけられたことを思い出す。
ニューヨーク合気会 山田師範にも、何度か直接ご指導をいただいている。
見取りの受けは、NYのメンバーだったJeyと自分、アメリカンクラブのガーデン レストランでのディナーと合わせて、忘れられない思い出だ。
実は、このヴィデオ、一旦自分の手を離れ、もう戻らないのでは?と諦めたことがあった。
完全に諦めた後、しばらくして、ひょんなことから家内の縁で、完全な状態で自分の手に戻ってきた。
「縁」が切れなければ、人もモノもいつか繋がる、そんなことを思わされたエピソード。
2日ほど前、電話に出た家内がけげんそうな顔で変わってくれと言う。
電話を変わると、なんとマレーシア時代に同じオフィスで仕事をして、共に苦労したYapさんからだった。 連絡がついたのは、なんと5、6年ぶりのこと。
ご実家にお送りしたクリスマス カードを見て、連絡をくれたとのこと。 在住時には、ペナン、イポー、KLとともに飛んで歩いた。
相次いで辞めた後は、マレー語で交わされる役所関係の手続きにもお世話になった。
これも「縁」があれば、いつか繋がると感じさせたエピソード。
DVDと言えば、昨年販売された師範のDVD。
S先生にお願いして抑えていただいてあるのだけれど、昨年暮れの帰国の際に受け取れず、まだお預かりいただいている。 この「縁」は、切れることは無いので、いつか次の機会まで、お預かりしておいていただくつもり。
もう一つ気になっているのは、大学時代に、不思議なほどに音楽の好みが一致していた岡部君のこと。 マレーシア、フィリピンでの不義理がたたり、音信が取れなくなってしまった。
渋谷、新宿、神保町のレコード屋をしょっちゅう一緒に回っていた。 コンサートもほとんど一緒、ミック、ECは、縁あって一番前の席で共に観たこともあるし、武道館でのボズ スキャッグスの一番前の席を家内に譲ってくれたこともある。
90年のストーンズ初来日の際には、1月の寒空の下、二人二晩外に並んだ。
借りていた初期型RZは、盗まれてしまったけれど、それに関しては、何も語らなかった男でもある。 日本を離れるにあたって、自分の宝物、ロン ウッドが描いたキースの肖像画のリトグラフを託して来た。
簡単に切れる「縁」ではないと信じているので、またいつか再会できると思っている。

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