大成功に終わった香港理工大学での演武会。
総合的には申し分ない出来だったものの、個々に目を移すと、当日、そしてメンバーのSさんが撮影してくれたDVDを見て感じたのは、初級者のメンバーの膝と上体の使いの硬さ。
水曜日の稽古では、型にこだわらず、流れと導きをメインに動いてもみた。
数日考えて、さらに土曜の稽古でも型を離れて身体の使いをメインに動いてみようと決めた。
身体を緩め、相手に固定されないようにして身体全体を使って相手を導く。
まずは、片手取りからの天地投げ。
自分の中心から相手を引き込むように、腕と脚の動きをシンクロさせ、一歩後退しながら引き込んで腕を立てる。 相手を自分の手首に乗せ浮かせた後、逆に踏み込みながら腕を突き上げ、後方へ倒す。
下半身の中心の沈みと柔らかい膝の使いは、丁度、脚を踏み変えての舟こぎ運動の要領。
当初は、硬さが感じられた動きも、次第に馴染んで、脚と膝の使いもいい感じになってきた。
続いては、方手取り転換からさらに転換して相手を呼び込んで、その慣性の動きにカウンターを当てるように隅落しポイントへ片手一本で落とす、切り返し。
転換からの回転運動は、硬くなってしまえば、相手に慣性の動きは伝わらない。 緩い繋ぎで相手を走らせ、当てるように切り返す。
四方投げも、入身、転換の型の崩しではなく、掴まれた腕を緩め、中心からの揺さぶりで相手を崩しタイミングを見て四方投げへ入る。 緩めた身体としっかりした中心からの揺さぶりがポイント。
片手取り転換から膝前にある掌で輪を描くように体重移動させれば、相手は振られて自分の前へ戻ってくる。 来たタイミングで当て身を入れて、相手の脇を潜って内回転投げへ。
緩い繋ぎと大きな転換、瞬時に動くことで技にダイナミズムが生まれる。 基本的な技も、崩しにひとつ工夫を加えることで、動きの見え方が大きく変わる。
同じ捌きでから内転換して呼吸投げ。 腕を強く振って投げるというよりは、低く導いて転がす感覚で動いてみた。
さらに捌き、崩しで隅落し。 切り落としは、腕に意識を集中せずに、腕を当てながら中心を落とすことで、威力は格段に増す。

瞬時に次々と技を変えて繰り出す。
やはり、これには普段からの慣れが必要と演武を見て感じた。
技のヴァリエーションを見てもらった後、片手取りからの自由技。
どの取り位置、打ち込みからも、十種類くらいの技は瞬時に出るように鍛錬すること。
それには、各位置から、どう各技へ繋げるかというイメージを頭の中で作れるかがポイントとなる。
頭に描ければ動け、描けなければ動けない。
普段のイメージトレーニングと道場での実際の動き、これを続けていれば、すぐに技の種類は増やすことができる。
座技呼吸法で終了。

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