天気は快晴、気温はそれなりに上がってはいるものの湿度が低く、爽快な日。
これからしばらくが、香港のベストシーズン。
とは言うものの、外気に開放される窓のない空調の効いた場所での稽古は、季節感の感じられないのが残念なところ。
夏は汗が身体をびっしょりと濡らす暑さ、冬の道場の寒さも稽古に付加される味付けとして記憶の彩りとなる。 単なる無いものねだりかも知れないけれど、時に、寒さに身の引き締まるような凛とした澄んだ空気の道場を思い出すことがある。
稽古は、船橋でもしばらく行われていた連続しての転換から。
逆半身の転換から、軸足を変えて前へ進む足の捌きで2回転、3回転と転換する。
受けは緩い繋がりで動きについて行く。 惰性の動きを使いながら、最後は呼吸法、切り返し、呼吸投げなどで終わる。
単にくるくる回る動きがどのような稽古になるのかと、当時は良く理解できなかったけれど、後になって中心、中心線を作ること、さらに動きの切り返しなど、身体を作ることに大いに作用したと感じている。
掴まれている相手の手の抵抗で姿勢を崩されないこと、自分の手を保持する位置などを注意して動いてみれば、得るものは多い。
差し出した腕で導き、流れで崩して入る相半身片手取り一教。
取らせるように自身の前へ出した腕を、相手が取りに来るタイミングに合わせて自分の肩口へ運ぶことで、相手が掴んだときには体勢が崩れている状況を作り出す。
腕の返しから押さえへは、相手の腕を掴まず、接点を意識して切らさずに導くようにして床上への押さえと運ぶ。 崩しが十分に出来ていれば、掴まず、引っ張らず、接点を切らさず、手のひらでコントロールする動きで相手を導ける。
同じ捌きでもう一形、入身投げ。
これも同様に硬くならないよう緩い繋がりで、相手を導く。
相手を走らせ、最後の部分で再度抜けば、相手の重心が浮くので、そこで切り落とすことで、技の切れはさらに増す。
少しペースを落として、両手取り四方投げ。
片手取りとは入る方向が異なり、両手取りからは真っ直ぐ相手の中心を攻めるように入ることで、相手の両腕、さらに重心を浮かすようにして四方投げへと入る。
取り位置と体勢による崩しの方向の違いを理解すること。

片手取りからの腰投げは、転換から振り戻しての崩しの後、相手両足の間への脚の踏み込みが全て。 十分に腰を落とし、自分の脚を思い切り良く相手の脚の間へ踏み込ませる。
十分に踏み込めば、相手の中心は自分の腰の上となり、楽に相手は上に乗る、踏み込みが浅ければ、相手の重心は残り、崩れてはくれない。
腰の上に乗せた後は、もう一方の脚を身体の方へ引き寄せるように移動すれば、落ちるスペースが出来て、相手は回転するように作ったスペースへと落ちる。
踏み込んで中心を乗せることさえ掴めれば難しい技ではないので、少し稽古すれば出来るはず。
受けは、取りの腕に自分の腕を絡めることで、頭や肩から落ちることを防げる。
事故の多い技でもあるので、受けも十分に注意したい。
両手取りから抜く、諸手取りから思い切り振るなどの呼吸投げ数形の後、座技呼吸法で終了。

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