ローカルニュースによれば、今年二月の香港の平均気温は19度+で、観測史上最高の平均気温を記録したとのこと。
春の日差しが差し込んだ今日も、気温は大分上がり、もう上着の要らない暖かさで、気持ちも軽く深水歩の道場へと向かった。
開始時間に道場に揃ったのは、比較的新しいメンバー。 最近始まった香港の両名が居たので、急遽考えを変えて、立つ、座る、そして、足捌きや体の繋がりなどの基本的な動きから稽古に入ってみた。
正座で座る、また、そこから立つ、起座の右左とその理由、また、送り足、継ぎ足、歩み足などの足裁き、日本人であれば呼び名を聞けば分かることでも、予備知識の無い外国人には全く未知の領域。 基本的な事柄や礼法などを、折に触れて伝えることも稽古の一環と考えている。
足捌きなどは、号令をかけるようにして、皆で動く稽古をしていた他国の道場もあったことを思い出す。
足捌きに続いては、体の繋がりを体感してもらった。
二名で向き合い、手のひらと拳で両手を合わせ、お互いに身体を柔らかくして押したり、力の角度を変えたりしてみる。
身体を硬くせずに、腕の関節を柔らかくして相手の力を吸収する。 中心をしっかりと保って、下半身を動かないようにして、上体の柔らかさで繋がる関係。
この感覚を保ったまま四方投げへ。
掴まれた瞬間に指を張り、腕、肩の力を抜く。 しっかりと持たせれば、これだけでも相手は崩れてくれる。 そこから相手を外へ導くようにして四方投げ。 今回は細かくは書かないけれど、柔らかく、ふわりと技をかけることに意識して動いてみた。
正面打ちは、合わせるように、もしくは摺り上げるように相手の打ちを受け、ガツンと当たらないように注意する。
腕だけでなく、身体(胴体)もこれを一個のソリッドな固体と考えずに、身体の中の個々の関節を緩めるような感覚で吸収するような意識で受けて腕の返しへと繋げる。 緊張の無い意識と身体で、これも同様に柔らかい技を心がけたい。
同じ動きから入身投げ、これも毎度書いているのでここには書かないけれど、緩い繋ぎで相手を走らせる。 相手の頭が自分の肩口に納まったときには、相手の足は前方へ流れて崩れている状態を作りたい。 その状態が作れれば、投げには力は要らなくなる。
座技呼吸法で終了。

帰路、改めて稽古を思うと、自分の稽古では形の動きより、身体の使い方を重視していることを認識した。
形は身体の使い方を学ぶ方便であり、また上手く身体が使えて初めて形の動きが生きてくる。
筋力的な瞬発力に頼るスポーツ的な身体の使い方とは異なる武道的な身体の使い方。 さらには、パワーのダイナミズムを取り込んだ流れでの技。
各段階での動きと稽古があるけれど、現状の自分の道場を考えると、今の自分の取り組みは、間違ってはいないと確信する。

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