旧暦の大晦日、道場へ向かいフラットを出ると、向かいの日系スーパーの前には露店も出て大変な混みよう。 花や飾り物を抱えてフラットの方向へ向かう人も居て、新年を迎える準備に賑わっている。
深水歩の駅を出ると、露天街はいつもに増しての人出。 ここでは電気関係から工具、食品、そして本当にごみとしか思えないものまで、あらゆる物が売られている。 それでも、建物の入り口に張るお札や飾り物を売る店が一番賑わっているのは、やはり、春節を明日に控えた大晦日らしいところ。
稽古は、新しい人も加わったので、交差取り一教から。
新しい人にはまず、型の動きを覚えてもらい、身体の動かし方に慣れてもらうように。 経験者には、崩しと力の方向を意識して動いてもらった。

しっかり取らせたところから、前足の付け根、膝、くるぶしの関節を溶かすように緩めて、脱力した腕を自身の中心へ導く。 身体の前面の壁を崩すような感覚で、相手との関係を「実」と「虚」に変える。 これにより、相手は掴んでいる拠りどころを無くし、泳ぐように崩れる。
中心に運んだ腕は、手首を立て中心線に沿って振りかぶり、すでに相手は不安定な状態になっているので、一気に振りかぶれる。 注意したいのは、肘を絞り身体から離さないこと。 脇が開けば、筋力の使いとなり、そのまま肘をかえされる返し技を食いやすくなる。
斬り落とした後、大切なのは相手の肩を制している腕。 真っ直ぐ真下へ押さえ、自分の膝前に納めた後、床への崩しへ入る。
天地投げの型を固めてしまおうと思い、表裏ともに、崩し、投げと分割して動いてみた。
まずは、前足の送り足で入る表技から。 「一」、という初動のタイミングで、前足を相手側面へ踏み込み、地の手を下へ、このとき同時に、もう一方の天の手を肘から指を垂直に立てるようにして、自分の耳横に立てる。 まず、この動きだけを、相手と組まずに動いてみた。
相手と組んでも相手を意識せずに、同じ動きを動けば、重心は浮き相手の中心線は傾いて、相手は崩れた状態となる。 そこから後ろ足を踏み込みながら、天の手を突き上げ、上から被せるように後方へ落として表技。
裏技の崩しは、腰から引っ張るように90度転換しながら、完全に脱力した両手を自分の肩口へ背負うように運ぶ。 表技と同様、まずは、相手と組まずにこの動きだけ動いてみた。
相手に両手を取らせてこの動きを行えば、相手は両手に釣られるように重心が上がり、浮き上がった状態となる。 ここから前足を踏み込みながら、切り返すように地の手を下へ、これで充分に崩れた相手を、天の手で上から被せて後方へ落とす。
注意点は、初動での手の使い、両手を肩へ運ばず、地の手が下に残ってしまえば、その手を押さえて相手は粘り崩れてはくれない。 導き、ついて来る、その慣性の動きを利用して切り返すことで技の切れも格段に増す。
一教、天地投げともに、崩し、投げ(押さえ)と、個々に動いていたので、あっと言う間に終了の時間。 流れに乗った稽古とは行かなかったけれど、時に個々の技を分析するように動いてみるのも良いのではと思っている。

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