出掛けに空を見ると、冬曇りのような曇天。 寒いかなと思い外へ出ると、意外な暖かさ。
節分も過ぎて、いよいよこれから春めいてくるのだろう。 出来ればもう、暖房機を使うようなことはないことを願いたい。

稽古は諸手取りの呼吸法から。 相手に取らせた腕を「抜いて」崩す、相手と接する力の方向をずらして崩す。二通りの崩し方を試しながら呼吸法へ入る。 表裏共に同様の崩し、相手の力の留まるところを無くすれば、相手は崩れ、腕の振り上げにも力は不要となる。 振り上げから振り下ろしの腕の使いはできるだけ大きく。 捌いた後も粘る相手には、肩を抜くようにして下方へ導く崩しが有効。
転換から振りかぶった腕を転身して振り出すように伸ばし、大きく相手の背面へ踏み込む。 もう一方の手で相手の首筋を取り転換して入身投げへ。 諸手取りからは、取られた手を伸ばして大きく使うことで相手は崩れやすくなる。 相手の首を自分の対角の肩へ運び、振り上げた腕を真下へ振り下ろして下方へ落とす。 力ずくで動かそうとするのではなく、方向をリードするように相手を走らせる。 身体を上手く入れれば、首が肩へ届いた時には、相手の足は前方へ流れ、落とすのに大きな力は不要となる。
入身投げの表へは、取らせた腕を相手の力に当て、脱力しながら一歩踏み出して外側へ振り手首を立てる。 腕の動きはレ点かナイキのスウォッシュ マークのような軌跡を描く。 瞬時に相手は崩れているので、踏み込んだ足を軸に自分の指先を見るように指の方向へ回れば、相手は一気に後方へ倒れる。
相手の力の放出と脱力、そして円運動による瞬間的な動きでの崩しは、合気道感覚溢れる技。ツルッとした感覚で一気に相手が崩れる感覚を充分に体感できたと思う。
諸手取りの体勢は前後には強いが、左右の腕の振りへの自由度は高い。 腰を使って回転のように踏み込みながら腕を振れば、相手の両腕は伸びきった状態となる。 後方の足を踏み込みながら、相手の脇の下へ伸ばした自分の腕を差し込み、身体を前方へ振って相手を投げる腕極め投げ。 転換の捌きは、隅落しと同様。 転換の後、自分の膝前に腕でループを描けば、相手は自分の前方へ回ってくるので、そのタイミングで腕を差し込んで、前方への投げを打つ。
ゆっくりとした動きでの正面打ち一教。 当たりを柔らかく、肘の返しと相手のわき腹を伸ばす動きに注意しながら、相手の肩を自分の膝前に納める。 そこから力を使わずに崩れる方向へ導いて床上の押さえへ。 裏技は肘を巻き落とすように返して膝前に導いて転換。 肩や肘を押さえ付けたり、腕を引っ張らず、表技と同様に崩れる方向へ導くこと。
入身・転換の捌きと崩し、相手の腕の伸びと重心の浮かし、さらに充分な転身と腕の納めなど要所に注意しながら逆半身の四方投げ。 崩しや力の方向、相手の重心などを察知しながらの動きでなければ、それは単なる身体運動であり技ではなくなる。 型稽古も単なる運動ではなく、五感を研ぎ澄まして動きたい。 それにより身体のセンサーは、体感的に沢山の事を身体の記憶として蓄積し、技の制度と感覚を向上させる。
かかり稽古で諸手取りの自由技。 できれば、瞬時に沢山の技を繰り出すこと、そして元気良く動くこと。 始めたばかりの人には厳しいかもしれないけれど、とにかく元気良く動いて欲しい。
座技呼吸法で終了。
香港合気道協会より、M氏が出稽古として参加、日本からの有段者のH氏も加わり、稽古生の層が厚くなっている。 既存のメンバーの励みにもなり、全体のレベルも引き上げてくれる。 級レベルのメンバーは、積極的に向かっていって多くのものを吸収して欲しい。

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