昨日は、冬至の為、セクション全員で飲茶。
香港の習慣で、年に何度かオフィスのスタッフが揃ってランチを取る日が有る。
普段は、人との繋がりが稀有な会社ではあるけれど、昨日はランチの間中、ボスのイギリス人 Mr. Goddardといろいろと雑談することができた。1997年の返還前は、香港にも大勢の西欧人が居て、共に行動したり、いろいろと話すことも多かったけれど、返還前後に香港を離れた人達も多く、今回、香港へ戻ってからは、西欧人と話す機会も極端に少なくなっていた。
道場、稽古のことから始まり、映画「ラストサムライ」への賞賛、「Kill Bill」の話題から日本刀の話となった。 驚いたことに、氏は日本刀を造る工程を知っていた。さらに、焼入れ、刃紋の付き方なども。 叩きつけるように使う西洋の剣より、切れるイメージの日本刀は、その造形の美しさとともに非常に魅力が有るとのこと。 「Kill Bill」でタランティーノ監督が日本刀にこだわったのも同様の理由からかも知れない。 さらに、剣技の動きについても語り、侍の剣術の動きの素晴らしさについても絶賛していた。
日本にも3度行ったことが有るという氏に、「何処が一番気に入ったか?」と聞くと、「松本」という応えがすぐに返って来た。 「サムライ キャッスルが、そのまま残っているから。」というのが理由だった。 確かに、国宝 松本城は、内部もそのままに保存された場内を見学して回れる素晴らしい建物だ。 松本での経験の話に続き、日本食に話題は移り、ほぼ1時間半の間、話した事は、すべてが日本のことだった。
日本人の自分に対するサーヴィスも有るのだとは思うけれど、それでも、各地で出会う外国人から、日本文化に対するリスペクトを聞かせてもらうことは少なくない。 伝統文化だけでなく、工業製品や物事の正確さ、清潔さなど、現代においてのことも多く有る。 しかしながら、現在の状況においては、この素晴らしい日本の伝統とも言える事柄が、崩れつつあるということも強く感ている。
日本人として、また武道をやる者として、日本文化に対する外国からのリスペクトは、本当に嬉しく感じるけれど、同時にこれを他の人に伝えて行くという使命も有ると思っている。 武道は技だけでなく、一種形式美の世界、そこに有る作法と立ち振る舞い、周りに気を配ることなど、技法以外にも伝えなくてはならない事は沢山有る。


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