「タンザニア体重別柔道選手権大会2008〜成人の部」
タンザニア便り2010-2006
4年に一度のエキサイティングなスポーツの祭典、北京オリンピックも終わり、秋の風と共に今年も後半に向かうという雰囲気かと思いますが、いかがお過ごしでしょうか?
選手(陸上と水泳のみ)、コーチ、役員入れて20人弱のチームで北京入りしていたタンザニア選手団も、先日無事帰国したようです。(オリンピックといっても、日本と違ってほとんど騒がれないので、よくわからないまま終わってしまったという感じでした)
さて、今日は、華やかなオリンピックとは対照的に、こじんまりと開かれたタンザニア国内での柔道大会の様子をお伝えします。
2001年より、在タンザニア日本大使館主催で、毎年7月にタンザニア本土のダルエスサラームで行われていた通称サバサバ柔道大会こと、JAPAN JUDO CUP〜SABASABAが隔年開催になり、今年は行われない年だったので、その代りにザンジバル柔道連盟主催で、タンザニア国内体重別柔道選手権大会を開催しました。
今回のタンザニア国内柔道選手権大会は、来年2月に開催される東アフリカ柔道大会(East Africa Judo Championship)その他の国際試合に向けての選抜試合の一つであり、主賓には、ザンジバル警察のトップであるシンバ氏、来賓は日本大使館公使の平木場氏、スポーツ委員会会長と書記長、三菱商事のダルエスサラーム支社副所長石井氏を迎えて行いましたが、特に警察からの来賓は初めてということもあり、警察チームの面々の気合いが普段の大会以上に入っており、熱戦が繰り広げられました。
成人の部は、41人の選手が参加。
60kg級・・・アブダラ・ハッサン (ザンジバル)
66kg級・・・アリ・ジュマ (ザンジバル)
73kg級・・・アブダラ・アリ (ザンジバル)
81kg級・・・モハメッド・ハミシィ (ザンジバル)
81kg超級・・マスーディ・アムル (ザンジバル)
60kg級は、若手のアザンが、アブダラ・ハッサンを超えられるかというところが焦点でしたが、やはりまだ力及ばず、
アブダラ・ハッサンが優勝。準優勝はアザン。3位には、20歳のマジッドが初入賞しました。
66kgは、ベテランのうまさを発揮してアリ・ジュマが優勝。アリ・ジュマは、国内&国外大会の代表としてザンジバル、タンザニア柔道界を長年背負ってきた選手。
高内股や大腰、右組み手からの左の背負い投げなど華麗な一本勝ちで、会場をわかせてきました。ニックネームは、「鳥」を意味する「キデーゲ」
今回も、彼が登場すると、会場から自然と手拍子が起こり、
「キデーゲ、今日も一本で勝ってくれ
キデーゲ、今日もかっこいい柔道技を見せてくれ〜♪」という誰かが歌い出した即興の歌が、丸ごと観客全体の歌声となり、ザンジバル武道館いっぱいにひびきわたって、大いにもりあがりました。
この66kgでは、18歳のアブドゥルサマッドが上位に食い込もうと健闘しましたが、鎖骨を痛めながらも勝ち上がり、準決勝でムィニと闘って敗れた後、敗者復活戦を棄権。入賞を逃してしまいました(レントゲン結果は、鎖骨骨折でした)
73kg級は、常勝を続けていたハマディ・シャーメが、仕事で洋服の仕入れにドバイに行ったまま、帰国が遅れてしまい、不参加。万年2位だったヘメディ・ムタンガも奥さんの急病のため、急きょ不参加となり、大ベテラン、アブダラ・アリが数年ぶりに優勝。
81kg級は、8月末から講道館と順天堂行きが決定しているモハメッド・ハミシィが危なげなく優勝。
81kg超級(:重量級が少ないため、90kg、100kg、100kg超級をまとめ、81kg超級として試合をしています)は、マスーディ選手が制しました。
成人の部のほかに
16歳以下のジュニアの部、また、今大会は、エキビジョン試合として、
女子の試合もしました。
中学の体育の授業で柔道をしたことがあるという青森出身の小川七恵さんが、当日飛び入り参加。
ザンジバル柔道連盟のラハマ選手との日ザ対抗試合とあいなりました。
結果は、ラハマが小外刈りで有効を取り、一緒に倒れこんだところを、体重が10kg以上重いラハマ選手が小川さんをがっちり抑え込んで一本勝ち。
この試合は、翌日の新聞のスポーツ欄で大きく紹介されており、柔道は成人男性や子供だけではなく、女性にもできるスポーツであるという内容の記事になっていました。
ザンジバル警察のシンバ氏(警視総監に当たる人)は、開会式から閉会式まで5時間半という長丁場だったにもかかわらず、途中で退席せずに最後まで興味深そうに柔道の試合を観戦しており、スピーチも、10分以上長々と柔道をほめたたえる内容でした。今大会をきっかけに、警察の中で、柔道の立場が少しでも確立され、選手たちが練習に出やすくなったりするなどの配慮がされるようになることを期待しています。
警察チーム
ザンジバル柔道サイトは、→
こちらです。

追伸:2月にブルンジで開催された東アフリカ柔道大会(East Africa Judo Championship)で、100kg級と無差別級を制覇したマスーディ選手は、この活躍が認められ、タンザニアのスポーツ記者協会が毎年選ぶ、
タンザニア国内最優秀スポーツ選手賞を受賞しました。
柔道選手でタンザニア最優秀スポーツ選手に選ばれたのは、マスーディ選手が初めてです。

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