ジャンボ!2012年のスタート、いかがお過ごしでしょうか。
月刊水産北海道とデイリーニュース
ところで、皆さんは、「水産北海道」という月刊誌をご存知ですか?
東北以北唯一の総合水産雑誌として1951年(昭和26年)8月に創刊以来、なんと60年に渡って、漁協関連の新しい技術や製品の適切な紹介の他、健康や料理など身近な生活情報もとりあげ一般業界紙・誌には見られないハイセンスな話題を提供し続けている月刊誌です。(水産北海道HPより)
1987年からザンジバルで漁業に携わっていることがきっかけで、この水産北海道713号に、島岡強会長のアフリカでの活動が紹介され、その記事が掲載された本がザンジバルに届いたので、早速開いてみました。
タンザニア(ザンジバル)での漁の様子を中心に、3ページに渡って、地元産業の振興として、漁業、運送業、バラカ社での貿易、日本文化である柔道をザンジバル・タンザニアの人々に教えていること、そして、タンザニア文化ティンガティンガアートの日本へのプロモートといった広い範囲でじっくり紹介されていました。
私は、日本で漁業に従事する若者にも一言、というインタビュアーのリクエストに応えて、「漁師というのは、命を張って国民の食生活を支えている誇り高い仕事だと思います。自分の職業にプライドを持って頑張ってほしい」と言っている箇所が、とても好きです。

この記事や、日本の漁業、水産加工業に関心のある方は
水産北海道に直接お問い合わせ、または、バラカジャパンにメール(baraka@africafe.jp)でお問い合わせください。
一方、タンザニア国内では、柔道マスターが、タンザニアの文化であるティンガティンガアートを日本に広めているという点で注目され、デイリーニュースという英字新聞の記者が、わざわざザンジバルまでやってきて2泊3日の密着取材をしたことが、大きな記事となって掲載されました。特集記事は2回、1つは、デイリーニュース内の文化特集の折り込み記事で、日本でのティンガティンガ原画展の様子を大々的に、もう1つは、デイリーニュース紙上で、私達がタンザニアでやっている多面的な活動を、まとめて紹介されていました。
タンザニア国内では、柔道マスター、ザンジバル柔道連盟会長、タンザニアの柔道ナショナルコーチとして取り上げられることが多かったので、タンザニアでは、柔道に対する認知度がここ数年で高まってきています。逆に、タンザニアの国内では、まだほとんどの人が絵を見て楽しむといった余裕はなく、自国のアートにも関わらず、ティンガティンガアートを知らない人の方が多いというのが現状です。今回の新聞記事によって、逆にタンザニア国内でのティンガティンガアートへの認知度も広がるといいなと思っています。







☆ザンジバル柔道で、新しい時代が始まりました
話は変わりますが、ザンジバル柔道界では、東アフリカ柔道選手権大会での活躍(男子優勝金5銀5、女子金1、銀1)が評価され、年末の12月30日に、文化スポー大臣自らザンジバル武道館に来て、一人ひとりにメダルを授与して選手たちを激励してくださいました。
そして、その日に、長年ザンジバル柔道を背負ってきてくれたアリ・ジュマとハマディ・シャーメが正式に引退を表明し、ザンジバル柔道連盟で慰労会を開催して、二人の活躍をみんなで振り返りました。
左から、アリ・ジュマ、ザンジバル柔道連盟会長島岡強、ハマディ・シャーメ
この二人の雄姿を残しておこうと思いたち、ザンジバル柔道サイトで二人の特集記事を作るために、あれこれ写真を選んでいたら、彼らは本当にザンジバル柔道界の第1期と第2期を担ってきてくれたんだなと実感しました。(第一期は、ザンジバル武道館のない青空道場時代です)
特集記事、よろしければご覧ください。
こちらです。
アリ・ジュマとハマディ・シャーメの二人の同時引退はさびしいですが、これからも生涯柔道に関わって、後進を育てていくことに対して意欲満々でいてくれるので、その姿はとても頼もしく、1つの時代が終わって、次の時代が拓かれていく、そんな希望のつながりを感じています。
そして、今度は、彼らが育てる若手の活躍ぶりも見られると思うと、わくわくしてきます。





そんなこんなで、アリとハマディの写真を探していたら、2003年と2004年に開催したヤングスターズ柔道大会の写真がひょっこり出てきました。
ついつい懐かくなって、よくよく見てみると、現在躍進中のアザン選手と、アブドゥルサマッド選手の笑顔を発見。2004年の大会写真で、大きな口で大笑いしているのが、アブドゥサマッド。アザンは、2年とも、後ろの方にひっそりと写っていますが、二人とも、もろにガキンチョの顔で写っていたので、思わず笑ってしまいました。
他は、辞めてしまった子がほとんどですけれど、そんな中で、このアザンと、アブドゥルサマッドは柔道を続けて、大きく成長し、今は堂々と国際大会に出ており、昨年は、3カ月の日本柔道留学(順天堂大学)も果たしました。
東アフリカ柔道選手権大会では、揃ってメダルを持ち帰ることもできました。写真を見ながら、いつの間にか、ザンジバル柔道界を背負う選手に育っていたんだなと感じて、うれしくなりました。子供の成長は、希望に満ちていますね。
東アフリカ柔道選手権大会にて2011年の日本留学組トリオ(左から、オマル・ドラ(銀)、アザン(金)、アブドゥルサマッド(銀))
地元の産業振興、雇用を増やすという目的での漁業、運送。
タンザニアにできるだけが外貨が入るよう、原材料ではなく製品の輸出で、タンザニア経済の活性化の一翼を担おうという思いで始めた貿易。
日本の伝統武道の柔道をタンザニアに伝え、逆に、タンザニアの文化であるティンガティンガアートを通して広くタンザニアを日本の方々に知らせていく、そういったコンセプトは、前々から何も変わらないので、これからも、注目を集めても集めなくても、ぶれることなくゴーイング アワウェイで進んでいきます。
とにもかくにも、継続は力なり。タンザニア、ザンジバルの人々との地道な日常の繰り返しの中で、今年も着実前進していきたいと思います。
タンザニア便りも、2000年の4月から書き始めましたので、気がつくと、10年以上が過ぎていました。このタンザニア便りを通しても、いろいろな切り口から、アフリカのことをご紹介していきたいなと思っていますので、今年もどうぞよろしくお願いします。
by島岡由美子

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