ジャンボ!お元気ですか?
ムスターファーの砂の美術館でのティンガティンガアート公開制作で(8月20日〜27日)鳥取滞在中に、プロの砂像作家、茶圓勝彦氏の砂像制作を拝見する機会に恵まれました。
ところで、皆さんは、砂遊びで出来上がったものが、長い間残っていたという記憶はありますか?
私も、砂場で山や団子を作ったり、砂浜でトンネルを掘ったことぐらいはありますが、どれもあっけなく崩れてしまった記憶しかありません。
砂の美術館内にある砂像は、水と砂だけで作られているのに、半年以上の長い会期中、しっかり立っているのです。
砂像アートの発祥地は、アメリカ西海岸。
子供ではなく、大人たちが砂浜でいかに素晴らしい砂像を作るかということに熱中して、日々研究を重ねるうちに、このような芸術の域にまで達した上に、長く砂像をキープできる技術も編み出されていったというのはすごいことですね。
そのサンド(砂)・アートの技術をアメリカで学んで帰国。それから20年以上にわたって日本各地に伝えてきたのが、茶圓さんです。
そして、世界各地で開催される砂像コンテストに出場し、入賞実績を重ねる中、1999年、シンガポールで開催された世界砂像選手権大会で、万里の長城や秦の始皇帝を組み合わせた約7メートルの壮大な作品で日本人として初めての優勝を飾り、世界トップクラスのアーティストとなってからも、さらに技術を磨き、招聘先の各国で次々に素晴らしい砂像を制作しながら、日本でのサンドアート普及に尽力し続けておられます。
鳥取砂の美術館では、世界各国の砂像アーティスト達を招聘し、会期ごとに1つのテーマに沿って見事な砂像郡を作りだしていますが、その構想を立て、砂像総合プロデューサーとして、アーティストの陣頭指揮を取っているのもこの茶圓さんなのです。
どれだけ素晴らしい作品に仕上がっても、最後は一粒ずつの砂に還るという運命を持った砂像アート。
そこに寂しさを見出すのではなく、地球循環の法則にのっとった地球規模のエコアートとして、日本、そして、世界中に広めたいと語る茶圓さんの爽やかな表情がとても印象的でした。
そうですね。砂像は、究極のエコアートであると同時に、最後には崩れ去り砂に戻る運命だからこそ、アーティストにとっても、見る側にとっても一期一会のアートと言えるのかもしれません。
このときの砂像制作現場は、砂の美術館の丘の上。
一見工事現場に来てしまったのかと錯覚するほど、いかつい現場でした。
立ち入り禁止の黄色いロープをくぐって現場に入り、ぐるっと回って、間近で見上げたところ、かなりの高さです。しかも、大きなシャベルに、土嚢、こて・・・やっぱりどう見ても建築現場ですか?
板の幅も広く、砂の階段状になっているのですが、その一段一段が高くて、ムスターファもびっくりしていました。
砂像は、上の段から板をはずして、彫り始めるのだそうです。この現場でも、一番上の部分、すでにある形が浮き出ていました。
砂が水とこねられて上からしっかり叩かれて固くなっているとはいえ、砂であることにはかわりないので、いつ崩れるかわかりません。
茶圓さんによると、崩れるときは一瞬なので、いつも、どこまで彫りすすめるか、どこでストップするかを見極めるのに一番神経を使うのだそうです。
しかも、高さがある分、危険も伴うことでしょう。
大胆さと繊細さを同時に要求される芸術だなあと感じました。
分野は違っても、アーティスト同士、互いのアートを観る中で、通じ合うものがあったようで、ムスターファ!チャエンサン!と呼び合い、言葉を超えてすぐに打ち解けていましたよ。
カラフルで平面的な描き方のティンガティンガアートと、砂の単色の中でいかに立体的に見せるかが主体となる砂のアートは対照的ですが、それだけに、互いに大きなインパクトがあったようでした。
ところで、茶圓さんが制作中のこの砂像は、秋からCMでも公開されたり、ポスターになったりしているそうです。
何のCMでしょう?「ドラマチック」といえば、おわかりでしょうか。
答えは、こちらのURLをたどってみてください。
http://www.keiba.go.jp/dramatic3/素晴らしい作品が、動画と写真で公開されています。
この雄姿、いつまでも残っていてほしいと思ってしまいますが、この砂像は、いつまで公開されるのでしょうね。
こういう疑問が湧いた時は、
鳥取砂丘サンドパル日記をチェックしましょう☆
砂の美術館内での様々なイベントや、砂像の作り方から鳥取砂丘の風景やお天気、鳥取の季節ごとの楽しみ方など、楽しい情報がいっぱいです。
ムスターファは、鳥取滞在中に大小合わせて8点の作品を描きあげましたが、そのうちの1点は、鳥取市長さんのリクエストにより、砂像をテーマに、ティンガティンガアートとのコラボ作品を仕上げてきました。
写真左から、茶圓さん、ムスターファ、砂の美術館の下澤館長
下澤館長が持っているのは、砂像とティンガティンガティンガのコラボ作品の描き始めのころです。
砂の美術館内の砂像と、鳥取砂丘に行って眺めた風景、母国タンザニアでいつも眺めている海と空、それは、この鳥取の海や空にもつながっているんだね、そのつながりを表現するよとはりきっていました。
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最終日までかかって仕上げて、満足そうな表情のムスターファ
この作品「砂像に魅せられた動物達TANZANIA〜TOTTORI2010」は、10月31日でティンガティンガ展が終わってからも、砂の美術館での永久保存版として飾っていただけることになりました。鳥取〜タンザニア友好の証として、大勢の方々に見ていただきたいです。
皆さんも、鳥取砂の美術館に行かれる際は、素晴らしい砂像アートとともに、ティンガティンガ(砂の情報館サンドパルとっとり内)もぜひご覧になってくださいね。
by島岡由美子
☆アフリカグッズは、11月以降もサンドパル内で、継続して販売されます。
鳥取砂の美術館でのティンガティンガ展に関する記事
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