電車に乗って向かいの男性が怪しいと思えば、その人のすべてが怪しく思えてくる。相手の鼻に指を入れるしぐささえ何かの合図ではなかろうかと。なぜこんな話をするかといえば、本日公開
「被尾行者」小酒井 不木の主人公は、思うところがあって疑心暗鬼にとらわれてしまう。どんな疑心暗鬼なのかは、ここで私が語るわけにはいかない。
推理ものが好きな読み手は、途中で成り行きが推理されてしまうかもしれない。やっぱりそうなのかと思いながらも、最後は、読み手がほっとする。なぜほっとするのか、読み手も「被尾行者」だからだ。
読んだ後、人生、こんなうまい話があるわけはないと思うか、それとも、こんなうまい話もありだと思うか、庶民の思いから私は後者だと思うのだが・・

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