今日は、
ハロウィン。
そのハロウィンの夜、両親は、一人息子の顔が、ある歴史上の人物にそっくりであることに気付く。そこから総ての不幸が始まった。
「顔」 宮本百合子
フランツは、小学を終る前の年、堅信礼を受けた。
その年の万聖節の夜の彌撒(ミサ)は、ルイザにとって、婚礼の時のような晴がましい亢奮を感じさせた。フランツが、同じときに信徒名を授けられた少年と一緒に、初めて聖歌合唱をすることになったのであった。
オカルト映画の冒頭として、この話を読むのもまた面白いかもしれない。少年に超能力が備わって・・・・などと書くと、宮本百合子が驚くだろう。彼女は、そんなつもりで書いたわけではない。少年が青年になっていく過程で、通り過ぎなければならない関門、そして彼の心が傷ついていく様を描き込んでいったに過ぎないのだろうから。
読んでいて、顔が似ているから「悪魔」だと決め付けられることが、私は理解できない。今度アメリカ人にでも尋ねてみよう。あるとき、そのアメリカ人が私に言うには、なぜこの時期スーパーの入り口に「かぼちゃの重さ当てクイズ」なるものがあるのか、理解できないと。それは私にも理解できない・・

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