原民喜が家族、親族にあてて書いた
書簡。
また九月二十八日がやつて来ます。思へばあはただしい一年間でした。近いうちに本郷を訪れようと思つて居ります。それでは御元気で居て下さい。
と義弟の永井善次郎にあてた手紙に書いている。原の一家にとって何か重大なことが起こった日なのでしょうか。探せば何か分かるかな。
戦後のようす。「近頃は米の配給はなく東京の電車に笑顔を湛えてゐる人間を見かけなくなつた」といった記述に並んで「先日ウイスキーの配給があつたので、飲んだら久振りに酔つた」というくだりもある。そんなものも配給されていたんだ。ちょっとびっくり。

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