横浜をベースに横須賀から羽田のあたりまでをメインステージに据えた「京浜ハードボイルド」の書き手、矢作俊彦の新作「The Wrong Good Bye」。
銅鑼湾にある自分の行き着けの書店、「写楽堂」で発見した。
「マイクハマーに伝言」でのデビュー依頼、寡作な作家でもあり、そのディテールにこだわった文体は、受け手を狭めているとは思うものの、横浜や横須賀、そして横羽線界隈の土地勘や風景を知るものにとっては、強烈なイメージでその空気を伝えてくれる。
今回もドブ板や横須賀中央、16号線沿いのベースのゲート、海岸通り、関内、伊勢崎モール、中華街など、その匂いまでが伝わるような描写で楽しませてくれた。
本編のストーリーも後半にかけて、加速度的にスリリングになって行く。

同じロング グッドバイでも、チャンドラーの名作は「The Long Good Bye」、矢作さんの作品は「The Wrong Good Bye」タイトルだけでなく、プロットもいくぶん被せている。
奥付けを見ると、2004年9月11日の初版、自分が手にしたのは同年12月25日発行の第五版、1800円のハードカバーでありながら、結構売れたことにちょっと驚いた。
いずれにしても、この本を香港に持ち込んでくれた人に感謝。
明日、20日より、しばらく香港を離れます。
運転免許の更新や父母、祖父母、親戚、そしてお世話になった方々の墓参、兄の新居の訪問などの私事のほかに、このタイミングで帰国するのは、育ててもらったホーム道場、
船橋合気道道友会の二十周年記念演武大会と講習会に参加するためでもあります。
香港の稽古生諸氏には、ご迷惑をおかけしますが、この大会、講習会、そして船橋の稽古で得たものを今後の稽古に繋げて行きますので、ご理解下さいますようお願いいたします。

0