なかなかにタフだった一週間、諸問題は未だ片付いてはいないけれど、ともあれ週末がやってきた。
鬱積した一切のものを忘れ、世俗と切り離された時間を持てる稽古の時間は、心身を洗う意味でも自分には欠かせない時間となっている。

稽古前にする黙想は、波打つ気持ちを静め、稽古に入る前の精神を穏やかな水面のような澄んだ状態にする静寂の時間でもある。
自分はこの時間が好きで、実のところ「このまましばらく座っていたい」と思うことがよくある。
気持ちと場の浪打ちが消え、打ち水を打ったような道場で立ち上がるときは、自分の一番好きな瞬間でもある。
礼、準備運動に続いての稽古は、片手取りからの体捌きから。
相手との接点、力の方向を感じながら、接点の角度をずらして相手の力をいなすように放出させる。 自分から当ててずらす、接した瞬間にずらす、しっかり取らせたところから、掴まずに手のひらを当てただけの状態から切らさずに捌く。
入身・転換ともに、接点、力の方向、そして力の放出を意識して動いてみた。
この捌きから技への繋ぎ。
入身からは呼吸法、転換からは肘を当てての飛ばすような呼吸投げが、一番自然に入れる。
入身からの呼吸法は、いなした後、すでに十分相手が崩れているので、簡単に落とせる。 転換からの呼吸投げは、自身の肘を相手の腕に当てた後、腰と背筋に溜めを作り、転身と同時に溜めた力を放出させる。 力の放出は、自身の中心から相手の中心へぶつける感覚で。
腰の切れと転身の動きを合わせることで、瞬発力が格段に増す。
突きからニ形、一教と小手返し。
突きに合わせての返しの技は、技によって脚の捌きが変わるので、一つづつ確実に覚えて行きたい。
一教へは前足を一歩引いての後ろ転換(90度)の捌き。 捌いた後、目の前にある相手の突きの腕を上から押さえて取り、一教へと入る。
この一教の捌きが、あまり馴染みが無いせいか、とまどいがあったので、時間をかけて動いてみた。 前足を引いての90度転換は、身を開いての突きのかわし。 まずはこの動きに慣れるところから。 これがしっかりと身についてしまえば、後は取り技からの一教と同じ動き。
小手返しへは前足をわずかに送っての前方への転換(180度)、この方が馴染みがありすんなりと入れる。 手の導きは、わずかに前方へ送ってから入身、転換へ入るとより崩れやすい。
小手返しは、投げ押さえ技なので、投げ捨てにせず、最後は押さえで終わることを忘れないようにしたい。
突きからの技をもう少しやろうと考えていたのだけれど、予定より時間を取られていたのと、混乱を避けようと思い、基本中の基本、片手取り四方投げ。
今日のところは、突きからの一教の脚捌きをしっかりと身につけて欲しい。
小手返しで見取りの受けをお願いしたSさんが、しなやかな飛び受身を会得していたのも嬉しかったこと。 座技呼吸法で終了。

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