柔道の大会に時間を押さたため、いつもより1時間早い稽古。
時間の変更の影響は杞憂に終わり、賑やかな稽古となった。
身体をほぐすくらいのつもりで片手取り呼吸法から稽古へ入ったところ、稽古生各位の集中が素晴らしく、次第に熱が入って行く様子と手ごたえが伝わってきた。
掴ませたところから腕を抜き、重心を沈ませるように入身・転換で捌く。
まずは、腕の抜きと体捌きについて聞かれたので、そこまでを分割して説明。 毎度のことではあるが、掴まれたら指を開く、足捌きの動き出しと同時に腕を脱力して腕の重さを使うようにして、だらりと落とす。
抜いた手を中心へ運び、中心線に沿って手首を立てるようにして垂直に立てるように振りかぶり。
このときの腕の使いは、肘を下げるようにつかい手首の方を上げてゆく。 いわゆる呼吸法で使う上げ手の使い方に近い。
腕は真上に突き上げるように大きく使い、後ろ足を相手背面に踏み込んで、自分の中心を確実にする。 ここまでの動きで相手はすでに後方に崩れているので、腰を回しながら、振り上げた腕を体側に放るように真下へ捨てれば相手は畳みへ崩れ落ちる。
大切なのは、振りかぶった後の後ろ足の踏み込みで、この位置で相手の崩れが決る。 他の技と同様、投げより崩しまでの過程が重要。

師範から伺ったチェリスト カザルスが練習の初めと最後に必ず基本的な練習曲を弾いたという話をした後、基本中の基本である片手取り四方投げ。
技は意識せずに動けるようになって身についたと言える。 楽器を演奏する手が自然に動くように、身体が頭脳からではなく身体だけで動くように身体の意識に刷り込みたい。
それでも、その過程での稽古では、相手との関係、踏み込みの位置など、最適な位置を考えながら動くことが必要。 ここへ動けば、こうなる、場所を変えれば、こうなると、違いを体感として覚えることが大切。 そのうちに、自然と理想的な位置が見えてくるようになる。
初級者は立ち技、経験者には半身半立ちで動いてもらった。
座技呼吸法で終了。
少年部の審査は、技、道場の出入りともに満足できる出来だった。
普段の稽古でも、集中を切らさず、同様のメリハリのある動きを期待したい。

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