引越しの翌日、まだ落ち着かない状況の中、新しいフラットの出口から気分も新たに道場へと向かった。
気温は20度を越え、もう半袖で充分な陽気、これからほんの暫くの間、過ごし安い季節があり、すぐに高湿度のじっとりと暑い夏がやってくる。
黙想、準備運動、受身、膝行、そして飛び受身の後、稽古は両手取り呼吸法から。
逆半身でしっかりと取らせた腕を、入身、転換しながら、脱力するように使って相手を崩す、手首がだらりとする状態で、身体の中心線に沿って垂直に手首を上げてゆく。
崩しの捌きでの入身、転換は、中心(腹)から出るように、膝を緩く使い、身体は沈み、腕は真上に一杯に伸びた状態。
この下半身は沈んで、腕は真上に伸びた状態は、他にも多くの技で使われている動き。
後ろ足を踏み込んで、中心をしっかりと保てば、相手はすでにのけぞるように崩れた状態。
体側へ腕を真下に振り下ろせば、相手は真下へ落ちてくれる。
送り足で踏み込み、掴まれている腕を上から切って、相手は背面へ入身しての両手取り入り身投げ。 切る、入身と一つの動きに見えるかもしれないが、手首の切りの際の初動では、自分の中心(臍のあたり)を前へ押し出すように使っている。
呼吸法と同様、腕、上半身の動きに目が行きがちの印象であったけれど、多くの技は中心から動き出す。 さらに、大切なのは脚の捌きであり、重心の沈み。 今日の稽古では、袴をまくり、さらに道着もめくって、膝の使いを見てもらった。
観察力、という力量もある。
注意深く見て、判断、理解する、武芸の稽古では、見る力も大きく作用すると確信する。
動きを見て、分析、さらにその動きの残像を脳裏にイメージとして残す。 脳裏にイメージとしても越せない動きは、多分すんなりとは動けないだろう。 考えて動くよりは、イメージ、感覚として動く、さら進めば、意識することなく動けること、動きの進化は、その様な感じで進んでゆくのではと思う。
先週の胸取りの続きで、肘極めを動いてみた。
若い稽古生がブラジリアン柔術の稽古にも行っているということで、関節技を動いてみることにした。
胸取りから相手の正対線を外すように外へ踏み込んで、肩の手を二教に取り、相手の腕を上から巻きこむようにして脇へ抱え込むようにして上から肘を極める。
慣れないうちは、なかなか一発では極まらないけれど、ある程度の感覚がつかめれば、瞬時に極められるようになる。 もちろん、そうならなくては意味が無い技でもある。
両手取りの二形に、思いのほか熱か入ってしまったので、最後の肘極めは、自由に楽しんで動いてもらい、そのままの流れて稽古は終了。

稽古の時間外に、関節技を幾つか動いてみた。
十字固め、肩極め、かかと極め、首固めなど、香港の若い稽古生と動いてみた。
柔術から発展した柔道には、立ち技、寝技があり、そこから寝技系の関節技へと発展したブラジリアン柔術、立ち技、触れ技がメインの合気道と柔術は両極の発展を見せている。

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