出勤の土曜日、退社時間になり速攻でオフィスを出る。
ローカル スタッフも、ほとんどが時間と同時に外へと向かう。
降り出した雨の中を、急いでバス停へ、幸いあまり待つこともなくバスに乗れ、稽古場所へと向かうけれど、降り出した雨のせいか香港島へと向かう海底トンネルの入り口で渋滞。 バスの中を駆け出したい気持ちを抑えながら、なんとか1時間遅れで稽古場所へ到着した。
急いで着替え、道場へ飛び込むと、後ろ両手からの一教の最中。 稽古をお願いしていたT氏から、すでに後ろ両手から二型を消化したと聞く。 そのまま一教を続けてもらい、自分は素早く準備運動を済ませて、稽古を代わった。
稽古の前に、荷物の置き方と備品の配置で、苦言を少し。 公共の場所で多目的に使うスペースなので、荷物は道場内に持ち込むことになる。 問題は、その置き方、壁面に沿って規則的に、履物は揃えて、全てが整った状態に置くようにしたい。 道場の正面には、基本的には物を置かない、備品も動かせる物は動かして、澄んだ空間としたい。
武道は、一種形式美の世界。 細かなことでも妥協すれば、そこから序々に崩れて行く。 道場では、多少堅苦しさを感じるくらいの張り詰めた空間を作り出したい。
年少のメンバーも居るので、その部分を伝えるのも自分の務めだと思っている。

後ろ両手取りで、多少居着いているように感じたので、大きな足捌きで捌く横面打ちへと変えてみた。 大きく捌いて、接点を軸にして大きく踏み込んで転換しての入り身投げ。 相手を泳がすように接点へ導いての崩し、入り身、転換の際には相手の首に添えた手で相手をコントロールする。 柔らかい繋ぎでうねるように相手を導けば、相手の頭が自分の肩に届く時には、相手の重心は浮き上がっているはず。 後は、振り上げた腕を強く使わなくても相手は床上に落ちてゆく。
同様の捌きから四方投げ。
捌いてからの踏み込みと相手との位置関係に注意したい。 深く相手の懐へ入って窮屈にしないように。裏技での入りの深さが目立ったので、特に裏技での踏み込みに注して動いてもらった。 さらに手を頭の後ろへ振りかぶらないこと。 重心が後ろにかかれば、四方投げは非常に返されやすい技となる。
最後は、いつもどおり相手に思い切り持たせての座技呼吸法。
相手をしたSさんも上手く自分の手首に相手を乗せていた。 腕の使いを毎回しつこく稽古しているだけに、自分の道場で一番誇れるものは、案外、この座技呼吸法かもしれないと思ったりもした。

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