ほとんど雪駄履きで過ごした三ヶ月、久しぶりに靴を履いての一週間の後、雪駄履きで家を出ると、足の裏には、どうも雪駄が膨らんでいるような違和感を感じる。 脱いで確認してみても雪駄には何の変わりもない。 しばらくぶりで靴を履いて過ごしたせいで、多分、足の感覚が変わったのだろう。 それにしても、素足に雪駄で歩くことのなんと解放的なこと。
稽古は、立ち方、相手との正対の仕方、そして体裁きから入ってみた。
力の抜けた自然体で立つ。足を肩幅に開き、身体を揺すって脱力、息を吸って肩を持ち上げ、息を吐いて肩を落とす。 これで脱力した自然体で立っている状態となる。
半身で相手と正対したときも、身体のどこにも緊張した状態を作らないように。
自然体の状態から足を半身に踏み変え、中心を落とす。 膝を緩め、柔らかく。 これで、瞬時の動きにも対応が出来る体勢となる。 要は身体を硬くしないこと。
ここから入身転換。 後ろ足を一歩踏み込んで転換。 踏み込みは中心から出るような感覚で。
やや沈みこむような感覚で中心を保ち転換。 足は浮かさずに畳の上を滑るように、足の裏が畳を滑る感覚を感じて欲しい。 足を浮かさないことで重心が浮くことを避けることもできる。 上体は脱力して柔らかく、身体を硬くして構える必要も無い。
しばらく入身転換で動いた後、逆半身の片手取りからの入身、転換の動き。
入身、転換ともに重心が沈み込み下半身をしっかりと安定させる。 上体は前傾しないように背筋を伸ばして、両腕は自分の目の前へ伸びやかに伸ばす。
さらには、腕を螺旋に使い、目の前に腕を丸く、手が八の字を書くように。 腕は自然なゆったりとしたアーチを描くように伸ばす。 腕を螺旋に使うことで、相手の腕を緩く極めることにもなる。
この動きから、相手の手首を取って四方投げへ。
足裏の感覚、重心の沈み、腕の使い、一つ一つ確認して動いてきたことを、ここで結合させて四方投げへ。 それまでの動きをしっかりと確認して動けば、安定したぶれない四方投げとなるはず。 後は、踏み込んでの転身をしっかりと相手の顔か見えるまで十分に周り、腕を収めて切り下ろし。

正面打ち一教は、正対した状態から間合いを計り、受けは、「打てる」と思った瞬間に相手の頭を打つつもりで打ち込む。 取りは、その気配を読んで、動きを合わせる。
相手の手や顔、目などを見ていては、とっさの動きには合わせられない。
目付けは、漠然と全体を見る「遠山の目付け」で。 全体を見ながら、相手の気配、初動に合わせて動く。 気配に合わせて自然に前へ出る。 漫然と決まった動きとして稽古として稽古するのではなく、相手の初動を読むくらいの気持ちで動く。 自分は、いつも打ち技はそういう気持ちで稽古している。
今日の一教は、形にはこだわらず、崩せれば崩しきるくらいの感覚で、初動に集中して自由に稽古をしてみた。
この二形でほぼ一時間半が過ぎ、最後に座技呼吸法を行って終了。
実は、この稽古、指導員当番の回って来た先日の香港合気道協会の稽古でもやってみた。
身体を硬くせずに、リラックスした身体で伸びやかに動く。 フィジカルな力に頼っていては、合気道の技は理解できない。 パワーダイナミズムと感覚を重視した伸びやかな動き、自分の稽古ではどこでも、それを伝えるような稽古をと考えている。

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