今週は、二度ほど食事の誘いを断ってしまった。
人数も多く、香港人がメインだったので行き先は当然中華酒楼。 実のところ香港に居ながら、最近はあまり中華料理を食べようという気がしなくなってきている。
理由は、中華料理という食べ物があまり健康的な食べ物ではないと思えてきたから。 油が多く、濃い味付け、そして驚くほどぶち込まれている化学調味料。 これではどうみても身体に良いとはいえないだろう。
少し前のTV番組で、香港を代表する味の一つでもある広東焼味の店が登場して、自慢の焼豚の造り方を説明していた。 味付けには、二つの味噌を合わせたものが使われ、そこに小型のボウル一杯の砂糖、さらに、同量の化学調味料が加えられていた。
実際、ほとんどの中華料理には、かなりの料の化学調味料(ここでは、味精と呼ばれる。)が使われていることは知っていたけれど、なんと焼味にもこれほど大量の化学調味料が使われていることには驚かされた。 もちろん焼豚だけでなく、鵞鳥やアヒルのローストにも使われているのだろう。

欧米では、かなり前からチャイニーズ レストラン シンドロームという事が言われている。 中華料理を食べた後、大量に使われている科学調味料により、頭痛やのどの渇きなどの体調不良が起こるというもの。 自分も実際、頭痛とまでは行かなくても、前頭部や頭の中心部に不快感が出ることは割と頻繁にある。 科学調味料の害については知るところではないけれど、化学製品=薬物と考えれば、特定の薬品を長期間にわたり多量に接収し続けるということは、あまり良いことではないだろう。 外食やインスタント食品などで、完全に遮断することは不可能だとしても、多量に含まれる食品を避けることは悪いことでは無いはずだ。
いずれにしても、あれだけ大量にぶち込まれる化学調味料を見てしまうと、あまりいい気持はしない。 実際、料理によっては、科学調味料の味しかしないようなものもある。
自分は、もとより小エビによるアレルギーがあるけれど、最近はガルーパなどの海鮮による中毒も香港では伝えられている。 ここ10年ほどで急速な工業化が進んだ珠港デルタ地帯、海の水質にも影響が出ていることは容易に推測できる。
先日の新聞では、魚による中毒を避けるために、頭や内臓近くは食べない方が良いなどということが伝えられていた。過度の農薬が散布される中国産野菜も問題になっており、これによる中毒も伝えられるなど、食材をとりまく環境にも問題は多い。 さらには、高級店から一杯10数ドルのソバ屋までふんだんに使われる化学調味料。 香港で、ましてや外食で、まともな食生活を送ろうなどというのは、無理な相談なのだろう。
家で食べるシンプルな和食が旨いと思うのは、やっぱり日本人だから?それとも歳を取ったせいなのだろうか?

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