これは、「エキボ」というアフリカの手編みのバスケット。
ウルフンゲという丈夫な繊維できっちり編まれ、ふたが付いているのが特徴です。
これは、タンザニアのブコバ地方に住むハヤ族の間で古くから使われている手編みカゴで、バケツぐらい大きいものから、手の平サイズまで、大小様々なエキボがありますが、形はどれも、アフリカの家を彷彿させるかわいらしさ。
ブコバでは、アカムアニと呼ばれるブコバ名物ゆでコーヒーの実をはじめ、豆やとうもろこし、焼きバナナ、穀物、セネネ(バッタの唐揚げ)など食べ物を入れたり、小さなエキボには指輪などの小さなものを入れたりと、いろいろなものを入れて使っています。
ウガリヤウレジ(キャッサバ芋の粉で作るウガリ)など、このエキボに入れておけば1週間から10日も持つそうですよ。
ブコバには、バナナ酒ルビシとともに、とうもろこしから作る地酒キムブムがありますが、これはさらっとしたものではなく、どろっとしたお粥状の酒で、まだカップなどの容器がなかった時代にこの地酒を飲むときは、この手編みカゴ「エキボ」に注いで飲んだそうです。
エキボは、目がしっかり詰まっているから、漏れないんですって。
ところで、「エキボ」とはタンザニアのブコバ地方に住むハヤ族の言葉で、スワヒリ語ではありません。「エキボ」は1つ。複数になると「エビボ」と呼ばれます。
昔々から伝わるこの手編みカゴは、タンザニアのブコバ地方だけではなく、ウガンダや、ルワンダ、ブルンジでも使われているそうです。(呼び方はそれぞれの国や地方で違うそうですが)
昔々から使われている手編みのカゴ「エキボ」、丈夫な繊維できっちり編まれていて、飾るだけではなく実際に使えるところと、形がそろっているので、小さいカゴは大きなカゴの中にすっぽり入るところが気に入っています。
エキボには、シンプルライフで収納上手のアフリカ女性の知恵が詰まっているなと思います。
エキボを編むのは、昔からハヤの女性の仕事。
お嫁入りのときには、お母さんが編んでくれた大小様々なエキボを持っていくのもハヤ族の習しだとか。
娘の幸せを願いながら編まれたエキボは、きっと娘さんの新生活を応援してくれるでしょうね。
日本の皆さん用に、小物入れとして使いやすい大きさのエキボを編んでもらいました。
どれも同じようでいて、1つも同じものはありません。
1つだとエキボ、2つ以上だとエビボと呼ばれるハヤ族伝統の手編みバスケットをお楽しみください☆

4