ジャンボ!お元気ですか?
8月下旬から日本に柔道留学をしに行っていたモハメッド(写真左)とアブダラ(写真右)が、11月10日に、無事ダルエスサラーム空港に降り立ち、12日に、ザンジバルへ帰ってきました。
8月19日〜9月17日まで講道館国際柔道セミナー(Kodokan International Judo Seminar)、その後、順天堂大学スポーツ健康科学部(JUNTENDO UNIVERSITY School of Health and Sports Science )で6週間にわたって、菅波盛雄教授の元でお世話になり、順天堂大学柔道部での練習や各講義を通して、日本柔道をいろいろな面から学んできました。
「互いを敬いあい、鍛えあい、その場その場で判断力を要する柔道とは、ライフ(人生)そのものに通じているということがよくわかりました。
また、日本で、子供からお年寄りまでが柔道を愛し、続けている姿を見て、生涯柔道という意味を考えるとともに、国を越えて柔道家であることのつながりと誇りを感じました。ザンジバルのみんなにも、ぜひそのことを伝えたいと思います」byモハメッド
「順天堂大学では、柔道部の練習と並行して、初心者もいる柔道の授業に参加できたのがとてもよかったです。
基本技を繰り返しやることや、将来先生になって生徒を教える人たちの授業なので、教えるという視点も入った授業だったことで、自分たちも国に帰って子供たちに教えるためのアイディアをたくさん学ぶことができました」byアブダラ
などなど、元気な笑顔とともに、こんな言葉が出て、日本での柔道修行の意義をしっかり掴んで帰ってきたことがわかり、安心しました。
これからは、これらの日本での学びを生かして、ザンジバルでがんばってほしいです。
ザンジバルに帰った二人に、早速日本でのこといろいろ聞いてみました。
日本の印象は?
「日本は、ほんとうに平和な国だと思いました。
スーパーに買い物に行けば、自転車に鍵をかけずに買い物をしている人も多く、あげくのはてには、一度スーパーの外に出て、買い忘れに気が付くと、買い物袋を自転車のかごに入れたままでまた店の中に戻っていく人までいて、とてもびっくりしました。
自分の国では、5分もしないうちに盗まれますよ。
日本にいた2ヶ月半で、一度も警官が警棒をふるって泥棒を追っかけたり、格闘したりしている姿をみませんでした。自分も警官ですが、1週間以上何事も起こらないことなど考えられません。
この平和の中でなら、日本の警察官は、仕事があんまりないんじゃないかなと思いました。
先進国というのは、アメリカのように都会を歩くだけでも事件に巻き込まれたりする場所なのかと思っていたので、とにかくこの平和さに驚き、すばらしいと思いました」byアブダラ
美味しかった食べ物は?
ごはん 親子丼、サンマ、やきそば、ポテトサラダ、シュークリーム、雪○大福、
驚いたことは?
「講道館のある東京は、昼も夜も区別がなく、いつでも明るく、いつでも人がいて、店もいつでも開いていて、車も昼夜関係なく走っていることに驚きました。
日本中がそうなのかと思いましたが、順天堂大学のある千葉県印旛郡は、田圃が広がり、夜には普通に暗くなって静かになったので、安心しました。
やっぱり夜は、暗くて静かな方が落ち着きますね」byモハメッド
「授業や自由時間の時に、柔道以外のスポーツもやったのですが、いろいろなスポーツがあるので驚きました。
私たちは、柔道以外、サッカーぐらいしかやったことがないですから。
特に、ベースボール(野球)というはなんだか難しそうだなあと思いました」byアブダラ
「ある日、ドッチボールというのを柔道部の人たちとやったのですが、ルールがさっぱりわからなかったです。
あてようとして投げる人に向かって、アブダラがにこにこ歩いて寄って行くので、ボールを当てる方も当てる気が失せて笑うしかなく、サッカーに切り替えてくれました」byモハメッド
面白かったこと
「サッカー部の男子が、「僕は、今まで色の黒さでは誰にも負けたことなかったけど、あなたたちには負けました。チャンピオンを返上します」と言ったときには、その場にいたみんなで大笑いになりました。日本人で色が黒いったって、たかがしれていますよね」byモハメッド
嬉しかったこと
「日本の人たちが、とても親切にしてくれたこと。
柔道関係の方々や、島岡センセイの友人知人の皆さんはもちろんですが、それ以外にも、電車の中や買い物をしているときなど、全然知らない人たちが、挨拶をしてくれたり、場所を教えてくれたりして、親切に対応してくれたことが嬉しかったです。
いろいろな場面で、言葉がお互いに通じなくて、お互いに言いたいことを言えないのはもどかしかったけど、多くの人が、気持よく迎えてくれるのがよくわかりました」byモハメッド
・・・それぞれ、たくさんの思い出を持って帰ってきたようです。
彼らが無事帰国した後、順天堂大学教授菅波先生(写真後列右端)から、ザンジバル柔道連盟会長島岡強宛にお便りをいただきました。
「彼らが帰ってしまい私の中に少々の空白が生じています。寂しい様な、そんな気持ちです」から始まるお便りには、
彼らが学生さん達の間に溶け込んで練習にとりくでいたことをはじめ、
「彼らはザンジバル柔道連盟が彼らを送り出した事を、きちんと理解して真摯に柔道修行を実行しており、全ての面において最大限の努力をして頑張ってやっていました。彼らは、立派な柔道家です」
などなど、6週間に渡る学びの日々の様子が丁寧に書かれており、最後は、「ザンジバルの柔道の発展を祈念しております。2名には、順天堂を忘れないようにと念を押しておいてください」と結ばれていました。
☆2人にも菅波先生からのお便りの内容を伝えたところ、「絶対に順天堂でのことを忘れません!」とのことでした☆
愛情を持って二人を鍛えてくださった菅波先生はじめ、順天堂大学の皆様、そして二人を応援してくださった日本の皆々様に、心より感謝致します。どうもありがとうございました。
☆ザンジバル柔道連盟サイトは→こちらです

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