「世界エイズデー2010〜エイズについて考えてみよう!」
タンザニア便り2010-2006
ジャンボ!昨年も記事にしましたが、
12月1日が、世界エイズDayだということ、ご存知ですか?

ティンガティンガアーティストのゴドフレイは、エイズ感染予防&撲滅の祈りとメッセージを込めて、自分の作品のテーマの中に、エイズを取り入れていますが、彼にそのきっかけを与えたのは、一人の女性の勇気でした。
ゴドフレイがまだ中学生ぐらいの頃、近所にエリザという女性がいたのですが、 その人がレイプされてエイズに感染し、3年後に若くして死んでしまいました。
エリザは、強い人だったので、レイプされてエイズに感染したことを世間に公表し、偏見にもめげず、他の女性達が自分のようにならないように、レイプは、女性の心身を深く傷つけるだけでなく、エイズをも感染させてしまうことや、エイズ検査の大切さなどを、死ぬまで説き続けていたそうです。
ゴドフレイは、ティンガティンガアーティストとして絵を描くようになって、はじめのころは動物画だけを描いていましたが、自分として、絵を描くなかで何ができるのかを考えたときに、エリザの姿が浮かんできて、自分もエイズについて人に伝えていかねばと思うようになって、絵のテーマにエイズのことを取り入れるようになったとのことです。
「自分にできることは、これぐらいしかないから」
と控えめに語るゴッドフレイですが、彼の絵を見ていると、ユニークな絵の面白さに引き込まれると同時に、ゴドフレイの強いメッセージが伝わってきて、知らず知らずのうちに、エイズについて考えさせられます。
〜エイズ検査に行こう!〜
右上・・・エイズ検査行かずに、食事の支度をする女性たち
左上・・・レイプ現場(左上)
上中央・・・人間の愚かさを見つめるカバ
下中央・・・エイズ検査を受ける人々
左下・・・検査に誘っても行かないといいはる女性
作品全体として、エイズ検査に関心のある少数の人と、多数の関心のない人を表しているのだそうです。
ここから先は、2007〜2009年に書いた記事です。
タンザニア国立博物館には、エイズに対する理解と支援、亡くなった方々への追悼の心の象徴である
レッドリボンが掲げられたエイズコーナーがあり、さまざまな本やポスターなどとともに、エイズをテーマにしたアート作品が展示されており、
ここには、ティンガティンガ・アーティスト、ゴドフレイの作品も飾られています。
2009年の記事から〜
ザンジバルの街角では、昨年のエイズデー数日前に、あちこちに建てられた看板(写真は2009年11月撮影)がそのままの形で残ってはいますが、今年はこの時期に、エイズに関して国民に対する新しい呼びかけのようなものは見られません。
「家族、親族を守るためにも、エイズ感染をみんなで予防しよう」
「私達はみんな健康でいたいから、エイズ検査に行ってきました。
あなたもぜひエイズ検査に行ってくださいね」
巷の噂では、今年はあまり外国からの援助が下りなかったから、目立った動きがないらしいといわれています。もちろん噂なので、定かではありませんが、外国からの援助が出れば表に見えるように、少しは目立った活動をするけれど、援助がなければそのまま放置というアフリカ全体の悪習慣が出ているのかなという気がします。
エイズがなくなったわけでもなく、エイズの知識も浅いままの状況であることはかわらないのですから、エイズへの正しい知識や感染防止の手立てをことあるごとに知らせていく地道な活動の継続なしでは、エイズが広がるのを防げないと思います。
皆さんも、エイズ感染予防、患者、感染者への差別、偏見の解消について、継続して、自分でできることはどんなことだろうって、考えてみてくださいね。
by島岡由美子
☆2007年&2008年&2009年のエイズデーの記事と、今年の新しい内容をドッキングさせた記事にしました。
毎年この記事を重ね、皆さんとコメントを通して、エイズのこと考えていきたいと思います。

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