ジャンボ!皆さん、お元気ですか?
今日は、柔道の話題です。
ザンジバル柔道連盟は、初めて外国チームを迎え、6月14日〜21日まで、合同合宿と親善試合を行いました。
初の外国チームは隣国のケニアから。監督1人、選手10人。
いつも同じ顔ぶれでしか練習できないザンジバル勢にとって、外国からチームが訪れ、一緒に合同合宿をするのが、ここ数年来の念願で、待ちに待った来訪でした。
涼しいナイロビから来たケニアチームの面々は、一番涼しいシーズンに入っているとはいえ、30度を超えるザンジバルで練習をするのは、特に最初の3日ほど、かなりきつかったようですが、一生懸命汗を流していました。
そんなケニアの選手たちを、厳しくも優しい目で見つめるのは、現在ケニアで、刑務官に柔道を指導しておられる前田政博氏。(写真左:講道館七段、JICAシニアボランティア)(写真右は、ザンジバル柔道連盟代表、島岡強)
このザンジバルーケニア初の合同合宿、親善試合が実現するまえには、事前にたくさんのことをクリアしなくてはなりませんでした。
アフリカで、何か事を進めるには、日本では考えられないようなマタタ(問題)、ドタキャンなど、たくさん起こるものなのです。
最後の練習が終わったとき、前田氏が、
「いろんな苦労をしてやっと選手をザンジバルに連れてきて、彼らが何とか練習に耐え、大きな怪我もなく合宿を終了したこと、自分たちのチームで初めて外国に遠征を計画し、それが実現できたこと、そしてこれをきっかけとして、これからもこういう合宿や試合を続けていくことができるということを思うと、涙がでてきます」と言って、男泣きに泣いておられ、私もぐっときてしまいました。
本当に、今回の合宿が実現してよかったです。
親善試合は、ケニアが2チーム、ザンジバルが3チーム(市民チーム、ザンジバル警察チーム、まだ若い試合経験を積ませるためのチャレンジャーチーム)の5チームが総当りで戦いました。
結果は、ザンジバル市民チームの優勝。
2位はザンジバル警察チーム。
ケニアのチームA.B共々同点3位となりました。
若手のチャレンジャーチームで出場したアザン・フセイン選手(写真右側:青帯)は、弱冠16歳。今大会最年少ながら、ケニア選手から1勝をもぎ取るという健闘ぶりに、会場から、大きな拍手が起こっていました。
アザン選手にとって、外国から来た選手に勝てた喜びは、さぞ大きかったことでしょう。これからも、練習を続けてザンジバル柔道を担っていってほしいです。
初の外国チームとの試合とあって、注目度も高く、来賓(タンザニアオリンピック委員会会長、ナショナルスポーツ評議会書記長、スポーツ局局長)も観客もヒートアップ。
親善試合の様子は、翌日の新聞にも「ザンジバルチーム、ケニアに圧勝」という見出しで、大きく取り上げられていました。
そんなヒートアップも、ひとたび試合が終われば、皆、柔道仲間。
試合後は、ムシカキパーティーで盛り上がり、キリスト教徒ばかりのケニアチームはビールで、イスラム教徒のザンジバルチームはジュースで乾杯、20キロ分の肉を平らげながら、大いに語り合い、親睦を深めました。
*ムシカキとは、日本の焼き鳥の牛肉版、ザンジバルでは、肉に、にんにく、しょうが、ココナッツオイル、ウジレ、こしょうで味付けをして焼きます。とってもおいしいんですよ。
ケニアチームは、帰国後、国旗返還式も終え、ほっとしたのも束の間、すぐに自分たちで反省会を開き、ザンジバルでわかった自分たちの弱点を克服すべく、今回の合同合宿の練習メニューを取り入れた練習メニューを作って、練習に励んでいるという、とてもうれしい便りが、前田氏より届きました。
ザンジバルーケニアの合同合宿、親善試合は、今回が第一回め。
これから、何回も数を重ねて、柔道の創始者嘉納治五郎師範が唱えた「自他共栄」の精神で、東アフリカの国同士で手を取り合ってレベルアップしていければ最高です。
皆さんも、日本から始まった柔道が、アフリカでも発展していくよう、見守ってくださいね。
☆ザンジバル柔道サイトでは、写真をたくさんアップしました。よろしければ、→
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